私はただ、歩けるだけ

[日記]今日のやること

　目が覚める。すっかり早くなった太陽の明かりに、背中から足の指先まで、ぐうぅと延びをする。固まっていた筋肉が伸びて、血が通い始めたことを感じる。

　翌日が休みの日は、遅くに寝がちなのはいただけない。矯正しようか。そもそもが早寝であるが。

　時計を見てみよう。平日の場合は遅刻確定、というわけでもない時間。普段起きるよりも30分程度遅い。だが休みの時は、もう少しごろごろとするのが醍醐味だ。

　スマホを充電器から外し、ポチポチと日課を済ませる。もはや腹をも満たさない朝食だな、これ。

　さて、今日はどうしようか。やりたいこと、あるいはやるべきことは決まっているが、何をしようと思うのだ。

　例えば、朝食。摂る必要があるほど空腹だが、何を食べよう。ゲーム製作。いよいよ終盤の作り込みだが、どこをやろう。市場。書き直している部分はこちらの方がいいだろうか、とか。

　そうだ、蘇、というものを作ってみようか。流石に3時間もかかるまい。昨日、牛乳を買っておいたが、作ろうかどうか迷っていたが、やってしまおう。

　そうときまれば、まずは日課を片付けよう。朝食とコーヒー、顔を洗って……あぁ。昨晩、フライパンとか多く使ったのだったか。あと、ソースが溢れてこびりついているコンロ。

　そうだな、今夜にはどうせ片付けるし、今のうちに。蘇、を作る前の大掃除。を、朝食後に。

　朝食を終えて、さっさと片付ける。そして500ml弱の牛乳をフライパンへ。火にかけ、待つ。

　それにしても、なぜ急にこれの話題が上がったのだろうか。休校の関係で牛乳が余っているから、とかなんとか目にしたが、実際のところはどうなのだろう。

　木ベラで混ぜる、混ぜる。沸き立つ揺らめきに、心が踊る、わけでもない。いつもの調理感覚だ。ただ、極端に単調な。

　左手で焦げ付きをこすり、右手でぐるぐる。

　ふと上方向に視線がいく。水滴だ。なるほど、当然だ。換気扇を回して換気する。

　蘇、蘇、蘇ー、そっそその蘇ー。意味のない歌。

　回し回して、約1時間。牛乳がとろみを帯び、タンパク質の塊が顕現する。

　なるほど、小麦粉をこねたもののように見える。

　塊の水分をもう少し飛ばし、小皿へ。そして後片付けをして、放置。今日のおやつにしてみよう。木ベラについた蘇の欠片は、まぁ、蘇の味だ。

　さて、今日はデバッグを中心にするとしようか。