[短編(オリ)]私の描く無双もの1(後編)
ルトマ、アクスと別れて、メーペと俺だけになった。個室がもらえるのはラッキーではある。
しかし、オーブのある場所からここまでの道中、説明されていたことを思い出していた。
オーブから与えられた魔力は、オーブとの契約が更新される度にリセットされるものであること。オーブと契約をし直すまでに、どれだけ人々の生活に貢献したかによって、次の魔力量が決定する。
誰かが決めるのかと尋ねてみれば、オーブのみぞ知ることだと返された。何をもって貢献とするのかどうかは知らないが、曖昧すぎるだろ。戦争とかどうとか言ってるくせに。
部屋に案内されて、礼を言っておく。仮にも教師だったから。だがメーペは、部屋に入る俺に続いて入ってきた。
何の冗談だ?
「クルスさん、お伝えしておきたいことがあるのですが」
いや、なんで部屋にまで入ってくるんだよ。まだ来たばかりだから何もないけど。
「あなたは、オーブから魔力を与えられています。しかし、ルトマさんと比べると、10倍くらいの量です」
つまり、彼女は快く契約してもらえなかったのか。
「しかも、資源派の最高魔力保持者に匹敵する量です。派閥としても、嬉しいことなんですが」
は? 最高、保持者?
「この世界のことを知らないのにそのような魔力を、正しい貢献に使えるとは考えにくいのです」
ていうか、さっきの凝視はそういうことか。この教師には、俺たちに与えられた魔力が見えていたと。
「ですから、あなたにできる適切な貢献があるのか、私も疑問なんですよね。魔力量に対して貢献が低すぎる場合、次の契約値が大幅に低下する可能性もありますので」
なんだそれ。初任給200万与えておきながら、デキが悪いと減らされるってこと?
「なので、もし、こういう形で貢献したい、という希望がありましたら、教えていただけますか?」
というと?
「既にある働き口では評価が下がる可能性が高いんです。だから、新しい働き口を用意して貢献した方が、評価が下がりにくい、と考えたんです」
新規事業を立てれば、初めのうちは大目に見てもらえるかもってことか?
今ある魔力とか魔法とかよく分からないが、ひとまず聞いてみた。
「勇者に、なれますか?」
メーペは目を丸くして、こちらを見つめた。
数日後、俺は勇者となる。
この世界には魔王や魔物の類いは存在せず、あるのは生物の営みと、海と大地だけとのことだ。
では勇者は何をするのか。決まっている。弱きを助け、危険を省みずに仲間を守るのだ。要は、何でも屋だ。
魔法で資源を作り出すのも限界があり、どうしても自生しているものを採取する必要があるときとか、賊に襲われたときの用心棒とか、何でもありな何でも屋。
もちろん、魔法はこれから習得するのだが、異世界に召喚された勇者クルス。いいじゃないか。
これから俺は勇者だ! 見知らぬ人々よ! 待っていてくれ!
◆◆◆◆
アクスはア→ク↑ス↓です。斧ではないです。明州とか書く気がします。
クルスは来栖、ルトマは留苫、かなぁ?
この感じだと、これが一章ですね。プロローグはクルスが召喚された瞬間辺りでしょうか。
クルス君はゲーム大好きな学生~社会人てした。しかし、接点のないアクスとルトマの二人と共に異世界の召喚されました。
そして膨大な魔力を授かり、勇者デビューします。厳密には勇者という職業があるわけではなく、勇者という形で人々に貢献することを選んだ、というわけです。
んで、ここから無双を始めるわけですが、魔法による無双がメインであり、その管理をどうするのか、を見所に進めていくことになるでしょうね。
さて、無双といえば際限がないイメージがありますが、ここに天井を設ければどうなるのか。
ぶっぱしてお荷物になる、というパターンは探索に邪魔ですし、パーティーに入るなとか言いたくなることを考えると、その管理を行う必要がありますね。
そこで、彼は唯一無二の勇者、もとい何でも屋であるためにいたらラッキー、無双してくれる存在として振る舞わせることでチート感を薄めるわけです。
なんでもできるなら、それこそ職業なんて概念はいらないわけで。勇者は万能だけど天井にくるとお荷物くらいの役割の方がいいんじゃないかなー??
三日間に渡った無双もののサンプル、いかがでしたでしょうか。
名付けるならば「無双魔力は勇者のもの」ですかね。
仮にシチュエーションタイトルをつけるなら「召喚された異世界でチート魔力もらったから(回数限定で)無双勇者になります」でしょうか? 捻りがないな!
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