[創作論]彼の者は敗北に溺れる

どうして負けたのだろうか。

働かなくなった頭で考えている。体はもう動かないのに。

どこからか熱を感じていても、寒い。寒い。寒い、寒い。

泣いてもないのに景色が霞んでいく。そこにいた誰かを誰だろうと目を凝らす頃には、景色はぐちゃぐちゃに混ぜた絵の具となる。

さっきまで聞こえていた叫び声も、遠い。

挑むための剣を握る手もなく、大地から自立するための足もなく、何より、終わっていないのだと牙剥く気力も、なく。

世界が、閉じていく。

どこかへ、引き込まれていく。


◆◆◆◆


現在進行している市場のイベントにおいて、既に4名ほど勝負に敗北しています。(展開はこれからお楽しみに)


実際のところ、負け=死という環境において敗北した者たちはどれくらい意識があって、何を考えているのか。

走馬灯や、「息を引き取る」といった表現こそありますが、実際、彼らは何を思うのか。戦地で敗北した者さんに実況していただきました。

基本的に「体験できないこと」であるがために想像は捗るのですが、いかんせん、リアリティを出すことができない。それこそ、個々の死生観が顕著な部分かもしれません。


物語が進行する上では、基本的には敵は敗北し、主人公は勝利するのが典型です。なら敗北者は何を思うのか。

上司を絶賛して散るとか、道連れ兵器を起動とか…いや、それは思う、ではなく行動ですね。死にたくない死にたくないと思いつつ、そういったことをしてると考えると、親近感が湧きませんか?


敗者は何を思うのでしょうかねぇ。誰もが、いずれ出会うものなのですが。

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