[短編]私の描く異世界転生3

おいおいおい。これはどういうことだ。

朝起きたら牢屋の中って。寒いし服は薄ペラ一枚だし……ワンピースみたいな服だなこれ。

まずやることといえば、誰かいないのか、と叫ぶことであった。格子に勢いよく飛びつき、効かない視界を、覗き込むようにして広げる。

向かって正面には誰もいない、入り口の開いた牢屋。右と左には、一人ずつ誰かがいる。ぼろい寝床で転がっているらしく、顔を見ることができないし、返事をする気もないらしい。

うるさいぞ、と遠くからの叫び声。ここから出せと言えば、黙れ、という回答と共に何かが引きずられる音。次に、コツコツと心地よさを感じるくらいの規則正しい靴音。

「自分の立場分かってんのか。人間を模した魔法兵器かもしれないおまえを、自由にしたらどうなるか分からないから、入れてんだ」

ありふれた看守の姿に、魔法兵器について尋ねる。

「魔法兵器を知らない…? お前が発見された地点から王国一つ分の面積が火の海なんだよ。そこから唯一拾われたお前はどう見ても、どっかの魔法兵器だよ」

今は人間っぽいけどな、と付け加えた彼はにやりとしてどこかに消えた。

なんのことだ? 火の海から、拾われた?

ますます混乱してしまう状況を整理しようと、格子から離れて座り込む。


◆◆◆◆


タイトル「異世界に来たら処刑されそうです」

そういや、前回は前後編に分けたんですよね。いつ別のが思いつくのか分かりませんし、数字で続けるべきですね。


昨日、Twitterにて「魔王を倒したあと、主人公がどうなるか(するか)」の好みについてのツイートがあり、その中で、「主人公の存在が危険視され、指名手配され逃亡生活をする」(意訳)というものがあり、どうふくらませされるのかが気になるこれにしました。

正直、7つの候補のうち、後ろの4つは全て好みだったわけですが、平和に過ごすのもいいですよね。


さて、このツイートの後しばらくして、「異世界転生チートものって主人公危険人物よな?」と思って、これを書きました。

国という社会を脅かす可能性のある無知の存在。これを利用しない手はないし、利用できないなら、他の誰かの利にならないよう処刑してしまうのが、国として考えられる行動ではないでしょうか。

もちろん、ここに種族とかは関係ないでいことでしょう。どうあがいても、いるか、いないかの問題です。


主人公はどうやってこの状況を打破するのか? 自身を捕らえた何者かに来たら忠誠を誓うのか、それとも脱走するのか? はたまた救援者が現れるのか?

逃げるにしても、幸運だけで逃げれるのも退屈ですがね。


なお、続きはありません。

思いつきですからねぇ。

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