[短編(オリ)・創作論]描くキャンパス撮す夢

景色が動いている。人は忙しく歩いていて、外にいるというのに自らの世界に、より没入するようになって久しいが、ありふれた日常風景だ。

ただいつもと違って、そこに色はない。すなわち、これは夢ということだ。自覚すると、この景色は私のものとなる。

感覚こそないものの、歩けば移動できるし、首を回せば見渡せる。手を伸ばせばものを掴める…わけでもない。ぶつかっても通り抜けるだけだし、まるて幽霊になったみたいだ。

ーー幽霊って足ないよね?

ふと思い浮かんだ言葉に、どこか楽しくなる。私は足のある幽霊なのだ。

改めて景色を見渡してみると、なんでもない都会の町並みが広がっている。ここがどこだか分からないが、夢なんてそんなものだろう。思うがままに歩き始める。

車道と歩道。信号とビル群。空と鳩。

ーー夢が全部、こんなだったらいいのに

平穏に抱かれた世界。私にとっては見知らぬ世界。誰かにとってはありふれた近所。

ふと、公衆電話ボックスが目に入った。公園の片隅に設置されているものだ。中に人がいる。

どこか焦っているような表情。しかし叫び声などは聞こえない。

何なのだろうか。疑問と共に、この世界は閉じられた。


新居に引っ越して、初めての休み。あたりのめぼしいお店を調べて、外へ出る。

新しい景色。不安と好奇心の入り交じる現の世界。

目的地はギリギリ徒歩圏内。探検しよう。

いつしか見たような光景。しかしそれがいつ見たものかは分からない。

公園の公衆電話で、見覚えある誰かがいることを見つけるまでは。


◆◆◆◆


未来予知、なんて言葉がありますが、分からないことを予言する。昔から見れる、人間の欲望の断片ですね。


予知夢なんて単語もあるあたり、あるんでしょうね、先のことを夢で見るということは。しかし、物語ではこれを覆そうとする展開、覆そうとしても覆らない場合もありますね。

それがどういった展開に繋がっていくかは知りませんが、多くの人はこれを信じることはないでしょうね。

分かるはずがないのだから、と。

ですが、未来予知というテーマを取り上げられることも少なくないあたり、一種の欲求が、人間にはあるんでしょうかね?

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