[短編(オリ)・日記]閉行世界
ぼくは、ぼくの生活の区切りがついた。
何が起こっていたかは知らない。親いわく、ぼくは死んでいた、とのことだ。
心臓が止まっていたわけではない。食事をしなかったわけではない。寝て、起きていた。
ただ、生きていた。言葉はそこになく、活力もなく、ただ、生きるために食べ、寝てを繰り返していたという。
実際のところ、気がつくと、腕も足も皮ばかりで、映画館に行けるようになるのも一苦労だった。
数年経っていて、世間が様変わりしていて、とにかく困った。
どうにか、今はやっていけてるけども。
この空白の数年、何があったのか。分からない。覚えてなどいない。
それに、記憶の終わりと比べて今の方が、どこか、笑える気がしている。
喜びも、怒りも、悲しみも、はっきりと感じるようになって、楽しい気がする。
気のせい、だとは思うけれど。
◆◆◆◆
公開していないこの作品、どう扱ったものですかね。
短編というには長いし、中編というには短いと思われる、死んでいた彼の物語。
一度、書き直したものを、もう一度書き直してみようかと思いましたが、それはそれで当時の面影が消えてしまうと思うと惜しいですね。
過去の作品、読み返すのもいいかもしれません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます