[日記]休息の日には

茹で卵

身ははがされど

味(み)は変わらず


ケトルに水を多めに入れて、台にセットする。その間にレトルトカレーの袋と卵を空の鍋に入れる。

沸騰するまでの暇があり、カチ、と業務連絡を受けてケトルを手に取る。

注ぎ口から溢れ出る湯気が顔に襲いかかるが、その頃には空気と混ざり、心地よくもない湿り気が頬に感じられる。

お湯を先の鍋に注ぎ込み、火にかける。中火にかけてしばらく放置する。

適当な時間を見計らい、冷凍庫から一食分の白米を取り出して、お椀に乗せてから電子レンジに三分。

アツアツのご飯が湯気を立てて、いや、ラップに包んであるから湯気はない。ラップを剥がして平皿にそれを転がす。

そして、鍋からカレーを救い出して封を切る。特有の風味が溢れ出て、食欲をそそる。

私は白米とカレー分ける派だ。そして、境目を軽く混ぜて食べる。

たが、レトルトカレーであるには変わらない。特別な美味しさもなく胃ばかりが膨らんだ。

皿を軽く洗って、火が止まってしまった鍋を手に取る。お湯を流して水で玉子を冷やす。

そして殻剥きを始める。全体にヒビを入れてから剥がす。

無論、理想はつるりとした肌を思わせる白身。固まったホクホクとした黄身。

ぼろりぼろり。

だが現実はうまくいくはずもない。殻に白身がひっついてしまったようだ。一通りの殻を向き終えたら水で残りの殻を洗い流し、茹で玉子を口にする。

物足りないが、追加で食べる気は起きない。残念だと思いながら、昼食を終えた。

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