番外編1 キャラ紹介&用語解説
第151話 キャラクター紹介~異世界邂逅ノ章
ピカレスク・ニート キャラ紹介 異世界邂逅ノ章
1、成華タケル(なすかたける)15歳 享年15歳 男性
T160
学校に行かず自宅に引きこもっていたゲーマー。頑なに自分が認識する日常の世界を守ろうとする孤高のニート。両親からは幼い頃から『放置』という名のネグレクトを受けていた。ある日突然、地球とは異なる魔法が現実に存在する世界で目を覚ます。なんの能力も体力も持たず、地球文明から引き離された結果、僅か数時間で死にかける。間一髪のところをおとぎ話に出てくるようなエルフ娘に助けられ共同生活を送ることに。ことさら周囲に影響されやすく、生活環境の変化から自立心が芽生えていく。エルフ娘セーレスとの生活に小さな幸せを感じていた。
2、アリスト=セレス 通称セーレス 女性
推定年齢60歳。見た目年齢は13~14歳程度。
透き通るような白磁の肌。翡翠の瞳に金糸の長い髪。エルフの特徴である長い耳。スレンダー体型。
T154 B82 W55 H84
水の精霊の守護を受けた稀有な精霊魔法使いであり、人間と魔の境界に存在するヒト種族の領地、リゾーマタで暮らすはぐれのハーフエルフ。
父は宮廷魔道士をも嘱望された魔法の天才、リゾーマタ・デモクリトス。母は魔の森を越えたさらに先に領域に繁栄する長耳長命族(エルフ)であり、禁断の恋の果てに生まれた。
もともとはエルフの領域で迫害されながら暮らしていたが、病に倒れ死んでしまった母の遺言に従い、幼いころに父を頼るためリゾーマタへとやってくる。だが父はヒト種族の貴族という立場からセーレスを認知することができず、かと言って放っておくこともせず、領地の片隅に居住することを許可。さらに領内にセーレスへの不干渉の触れまで出すほどの親バカだった。
以来50年近くをたったひとり、孤独に暮らす。そんな折にタケルと出会い、彼もまたはぐれ者であると感じた彼女は、半ば依存する形でタケルを自らの生活に巻き込む。
セーレスの意図を越え、強い絆で結ばれることになったふたりは、リゾーマタ・デモクリトスの死を切っ掛けにふたりだけで生きていくことを決意。だがその夜、人類種神聖教会『アークマイン』の襲撃を受け捕縛される。様々な思惑に振り回され、タケルと離れ離れになってしまう。
3、タケル・エンペドクレス 0歳~ 男性
人類種神聖教会『アークマイン』に囚われ、拷問の末死亡した成華タケルが生まれ変わった姿。魔族種龍神族ディーオ・エンペドクレスの力を強制的に押し付けられたため、意にそぐわないほど大きな能力を手に入れてしまい、それに振り回される。
セーレスを助けるため、リゾーマタ、ミュー山脈、聖都と渡り歩き、彼女を探す。
聖剣の力を使い、セーレスを追いかけ地球へと帰還を果たす。
【能力1】
【能力2】高次元認識力、龍慧眼。自身が存在するよりも高次の世界を認識できる能力。その気になれば星星の彼方や原子、量子世界も認識できる。ディーオは残念ながら現代の科学知識がなかったために、そういう領域があると知覚はしていたが、それがなんなのかまでは理解できていなかった。
【能力3】不死なる肉体。切り刻まれても、原子爆弾に吹き飛ばされても、暗黒物質の侵食により原子崩壊しても再生する能力――というより不死の呪い。虚空心臓が生み出す膨大な魔力により再生が可能。逆に言えば何らかの原因で虚空心臓から魔力が精製されなくなれば普通に死ぬ。その場合、全てを巻き込む形で虚空心臓が解放されるので惑星規模の災害が発生する。
【能力4】魔法行使。炎、水、風、土。全系統の魔法が最高レベルで行使可能。ただし人間から魔族種になったタケルには使いこなすことができない。現代科学の知識がなかったディーオが異なる世界の存在を認識できなかったのと同じで、魔法を知らない元人間にはコントロールすることができなかった。例え発動させたとしても自爆同然か、望まぬ程の超威力でしか使用できない。
【能力5】ディーオ・エンペドクレスの記憶。タケルの中に眠る膨大な知識の専有領域。索引と検索のしようがない膨大な書庫であり、決して自分の知識ではないため、魔法と同じく現時点では使いこなすことができない。ふとした拍子に意識の表面に現れては余韻を残していくので面倒な存在でもある。
4、ディーオ・エンペドクレス 推定1万歳 男性
根源27貴族の一角、魔族種龍神族の王にして二代目のエンペドクレス。タケルと同じように初代エンペドクレスの力を継ぐことで不死となった。若い頃は粗暴で粗野で、戦いと殺しの中でしか生きがいを見いだせない破壊魔だった。加齢とともに有り余る膨大な時間に絶望し、やがて精神が摩耗・老成していく。いつ頃からか知識欲に取り憑かれ、晩年までそれを満たすことを生涯唯一の楽しみにしていた。他者へと力を譲位することでしか『死』を迎えられない龍神族の呪いを断ち切ろうと世界を旅し、あらゆる知識を手に入れ、その果てに結局自らもまた呪いの一部となり、タケルへとたすきを渡すことで長過ぎる生に終止符を打った。
5、エアスト=リアス 通称エアリス 17歳 女性
風の精霊に守護を受けた稀有なる精霊魔法使い。
やや赤みを帯びた褐色の肌に、琥珀の瞳、長い蒼銀色の髪。わがままボディの持ち主。
T172 B95 W62 H92
もっとも新しくもっとも繁栄する27番目の根源貴族、魔人族というヒトから魔族に成り上がった種族の係累。一番数が多い故に個体進化の飽和を迎えた最弱の魔人族の彼女ではあるが、精霊の加護を受けることで飛び抜けた戦闘能力を持つ。
幼いころ、内戦で両親を失い、奴隷の身分に落ちるが、ディーオに精霊の加護の才を見込まれて、龍神族の係累として迎え入れられる。生まれながらではなく後天的に精霊を発現させた珍しい存在。
自らの人生を変えてしまったディーオを幼いころから慕い、身も心も捧げる覚悟だったが、老成したディーオに暗に拒絶されていたことにも気づかないある意味盲目的な少女。
ディーオの死を受け入れられず、その力をありがた迷惑のように公言していたタケルに憎悪を抱き、付きまとうように。
神のような存在で決して想いが通じ合うことがなかったディーオよりも、等身大の存在であるタケルの苦悩を間近で見続け、次第に惹かれていくようになる。
地球へと帰還する際、討伐軍の炎の魔法による一斉攻撃を受けていたタケルをかばい重症を負う。その後、タケルの魔力を与えられ復活。ともに地球へと渡ることになる。
6、ラエル・ティオス 推定25歳 雌。
獣人種列強氏族の一角、雷狼族の今代
T169 B86 W58 H88
狼の特徴を宿す獣人種。象牙色の肌。ウルフカットの赤髪と耳、尻尾を持つ。
一族の長であり、獣人種列強氏族の中では新興の部類。
常識人(獣)。仲間からの信頼が厚く、自然と慕われる指導者。
二代前、先々代にあたる祖父の代に、ディーオに知恵を授けられ、一族を列強氏族へと押し上げる程の力を得る。特殊な体毛により生来の帯電体質であった雷狼族は、発生させた電気刺激で筋肉を直感的に駆動させるという着想を得、最速閃光の狼と呼ばれるまでに。以来、ディーオに恩義を感じ盟友の間柄になる。彼女は祖父と父の遺言によりディーオと直接の関わりは無いものの、敬意と忠義を尽くしている。
エアリスから依頼を受けて、アークマインに(わざと)囚われたディーオを救い出すため、人間の領域に出兵させる。ディーオの力を受け継いだタケルを手助けしながら利用し、獣人奴隷を解放することに成功。以降はタケルたちのよき理解者でパトロン的存在に。
7、パルメニ・ヒアス 18歳 女性
T157 B87 W58 H86
人類種ヒト種族。境界の領地リゾーマタの冒険者ギルドに務める女性。
肩までで切りそろえた栗色のショートカットと、靑柱石で造られた高価な眼鏡を着用している。見た目どおりの非常に知的で温和な性格。かと思えば一途で情熱的な性格も併せ持つ。
冒険者初心者からベテランに至るまで絶大な人気を誇るギルドの顔として認知されており、毎週毎日誰かに求婚されているが、本人は断り続けている。ヒト種族の出産適齢期が16歳前後の世界なので、もうすでに十分行き遅れではあるが、本人はあまり焦ってはいない。自分とフィーリングがピッタリ合うような、素敵な男性と一緒になりたいと、夢見がちに思っている。意外と食い意地は張っており、叔父であるロクリス食堂のロクリス・ヒアスの店でその健啖ぶりを披露している。
成華タケルが右も左も文字も読めない(おまけに金もない)状態でやってきたにもかかわらず親切丁寧にギルド対応し、お金まで貸してくれた。アークマインのリゾーマタ支部が壊滅後、タケルに捕縛命令が出ていたときにも、その人脈を駆使して冒険者たちに頼み込み、まず自らが事情を問いただそうとしてくれた。実際自分が知るどんな男にも該当しないタケルに興味を持ち始めており、惹かれていた。タケルが不死身になったことも魔族種になってしまったことも知らず、冒険者たちとの争いを避けるため、彼が自傷行為をしたのち、運ばれていく瀕死の様を呆然と見送った。再登場が待たれる。
8、ロクリス・ヒアス 45歳 男性
人類種ヒト種族。パルメニ・ヒアスの叔父にあたる料理人。
リゾーマタで唯一、金を取れるレベルの料理を作れる稀有な存在。
料理は作れるが、慢性的な食材不足から新メニューの開発はしておらず、先祖伝来の質素な味を守り続けている職人気質。タケルがたまたま作れたオムレツに興味を持ち、その作り方をひと目見て覚えてしまうほど応用力と柔軟性はある。
さっぱりとした快活な性格であり、タケルのことを気に入っていた。
9、リゾーマタ・デモクリトス 享年77歳 男性
人類種ヒト種族であり、セーレスの実父。リゾーマタの領主にして男爵位。
かつては宮廷魔法師を嘱望されるほど、魔法の才に長けた天才だった。
だが、王都への召し抱えを拒否し出奔。数年の間行方不明となる。実はその間に魔の森を越え、エルフの領域まで単独で踏破し、人類種ヒト種族初の偉業を達成する。保守的で閉鎖的なエルフの領域でセーレスの母と出会い、セーレスを授かるも、デモクリトスはふたりを残しリゾーマタへと帰還。領地を継ぎ、すぐさま結婚もしてしまう。妻が熱心なアークマインの狂信者であり、その影響もあって他種族に排他的な気運を変えられず飲み込まれてしまう。
十年の後、自分の元に現れたセーレスを認知することができず、だが放っておくこともできず、領地の外れに居住させ、不干渉を領内に敷く。信頼できる部下を通じてセーレスのことを見守り続けていたが、最後は病に倒れ逝去する。残留思念、魂だけの存在になって領内にとどまり続けている描写が見られる。
10、リゾーマタ・バガンダ 享年54歳 女性
人類種ヒト種族であり、セーレスの腹違いの妹。デモクリトス亡き後領地を継ぎ、男爵位代行となる。
デモクリトスが大冒険から帰還した後、領主となって即座に娶った妻との間に生まれた一人娘。母、そして祖母の影響で、物心つく頃からアークマインを狂信する生粋の差別主義者であり、領内でも有名な因業ババア。デモクリトスの娘でありながらまったく魔法の才能を持たず、そのことがコンプレックスに。僻み、妬み、嫉みがひどく、また実母と祖母に徹底的に甘やかされて育てられたために性格もひん曲がり、さらに、父がエルフとの間に設けた婚外子、セーレスが現れたことにより、強い嫉妬の感情も抱いていた。
二度結婚し、二度死別している。いずれも流行り病ではあるが、性の不一致からか、どちらも子宝に恵まれなかった。とにかく、煮ても焼いても食えない化物。
アークマインの総本山、聖都に召し抱えられるために、セーレスを供物として捧げることを思いつき実行する。アークマインの聖騎士部隊をけしかけ、セーレスを拐かし、タケルを死へと追い詰めた張本人。その後、魔族種となったタケルの手により発狂死している。
11、オクタヴィア・テトラコルド 7万歳~ 女性
T138~
根源27貴族の一角、魔族種白蛇族の王。
髪も肌も眉もまつ毛も真っ白。全身が余すこと無く雪化粧をしたような容姿だが、唇だけは薄い紅色で、瞳は血を流し込んだような艶やかな緋色をしている。
ディーオを凌駕する年齢と記憶を有し、魔法世界の単独最年長にして生き字引的存在。白蛇族の王である彼女は単為生殖が可能であり、約200年周期で新たな個体を自らが懐妊出産し、それに記憶と知識を継承することで、常に瑞々しい精神と長命を保っている。
200歳と言っても、肉体年齢は30歳くらいまでしか成長しない。また、記憶と知識を継承したのちの先代オクタヴィアは、生活に支障がない程度の白痴美となり、生まれたばかりのオクタヴィアが自立できるまで母の役割をこなし死を迎える。
単為生殖ができると言っても性交ができないわけではないらしく、実は今までのサイクルで他種族男性の血を入れたことが一度もないという、かなり気合の入った処女メンヘラ。タケルに聖剣の情報を教えるのと引き換えに胤を要求。タケルはうっかり口先だけでその要求を飲んでしまったが……?
12、アイティア・ノード 14歳 雌
T149 B84 W55 H80
獣人種黒猫族の少女。黒髪ロングに憂いを秘めた黒い瞳&泣きぼくろが中高年男性の嗜好をくすぐるという、少々罪作りな容姿をしている。
実際は家族を愛し、野山を駆け巡って純朴にのびのびと暮らしていた田舎娘。だが悪い冒険者の奴隷狩りに遭い、拐かされてしまう。アナクシア商会に売られ、そのまま聖都で暮らす貴族たちに高値で売りさばかれる予定だったが、セーレス奪還にやってきたタケルと出会い、獣人種ラエル・ティオスの奴隷解放計画に巻き込まれ、無事に家族の元に帰ることができた。
精神的に未熟ですぐに悲観的になり、奴隷になることを受け入れていたが、自分の目的のために足掻き続けるタケルに感銘を受け、精神的に大きく成長する。無事に帰還したのちは、親元を離れ、ラエル・ティオスの家臣となり、本格的に魔法の勉強も始める。タケルとの再会を楽しみにしている。
13、オッドアイ 年齢?? 男性
人類種ヒト種族と思われる男性。中肉中背でくすんだ金髪。左右で虹彩の異なる瞳をしている。若くして人類種神聖教会アークマインの司祭に上り詰め、教皇の右腕を務める実務家。魔法の稀有なる才能のある者を、種族問わず生贄として捧げるよう、貴族や大商人を始めとした上級信者に広く喧伝した張本人。その目的はタケルが元いた世界、地球へと魔法の才のあるものを連れて帰ることだった。
聖都のすべては地球へと帰還するための魔法『ゲート』を開くための巨大地下施設と魔素を応用した原子炉建設のためだけに作られた都市だった。タケルの目の前でセーレスを伴い、オッドアイはゲートの中へと消えた。証拠隠滅として原子炉をメルトダウンさせ、その後聖都は完全に消滅した。
14、クリストファー・ペトラギウス 59歳 男性
人類種ヒト種族。人類種神聖教会アークマインの最高位教皇。神の奇跡を可能とする聖都にて完全統治を敷き、圧倒的な支持を得ていた。もともとあったアークマインの教皇へと彼が上り詰めたとき、他種族排斥運動を強行的に掲げ始める。
実際は虚構の存在。右腕であるはずのオッドアイにすべてお膳立てをされ、教皇の座に座っていただけの男。もともとは王都魔法学校の教員をしており、系統外魔法の研究をしていた。それこそが『ゲート』の魔法であり、オッドアイとともに人類種が単独で栄華を極める地球へ行くことを夢見、その願いはついに叶ったはずだったが……。
15、マンドロス 40歳 男性
人類種ヒト種族。枯れ木のような長身に細く長い手足、落ち窪んだ昏い瞳と丁寧な口調でしゃべる。
敬虔なるアークマインの信徒。名前は洗礼名であり、本名は捨てた。聖都の商いを一手に引き受ける巨大商会、アナクシアの番頭。その正体は獣人奴隷を売りさばく売人だった。アイティア・ノードを買い付けた帰り、聖都まであと一歩のところで野盗に襲われてしまう。偶然通りがかったタケル・エンペドクレスに生命を救われ、彼をヒト種族の魔法師と思い込んだ彼は、その魔法の才を見込み自分の元へと取り込もうとする。奴隷の売人でありながらアイティア・ノードに執着を見せ、壊滅した聖都の姿に絶望して彼女を手篭めにしようとするも失敗。最後は聖都の核爆発に巻き込まれ死亡したかに見えたが……?
16、フリッツ・シュトラスマン 25歳 男性
人類種ヒト種族。王都ラザフォード国第一駐留軍の情報士官。オットー・ハーン14世の肝いりで創設された情報分析官の筆頭。本来頭が切れるだけの文官のはずだったが、聖都消滅の原因となったタケル・エンペドクレス討伐に於いて、神がかり的な戦の才を発揮し、見事討伐に成功。英雄として王都へと凱旋する。
実際は本当に神に罹った存在。聖剣を奪われたヒトならざる意志に介入されている。本人ですら自覚していなかった心の奥底の野心を刺激され、実に見事に掌の上で踊る。完全なる道化。
*
魔法世界のタイムラインまとめ。
成華タケルが覚醒した瞬間から一日目として計算。
24時間を一日、三〇日を一ヶ月と計算する。
一日目 タケル魔法世界で目覚める。夜にセーレスと邂逅。
一ヶ月目 ゲルブブ討伐。
一ヶ月と二~三目 リゾーマタ宿場町へ。冒険者ギルドに登録。
二ヶ月目 この間に宿場町へ薬草売りを繰り返し収入を得る。
三ヶ月目 アークマイン大遠征より帰還。リゾーマタ・デモクリトス死去。バガンダが新領主に。
三ヶ月と一日目 森のあばら屋にバガンダ登場。敵対。
三ヶ月と一日目宵の口 タケル、セーレス東國を目指すことを決意。
三ヶ月と一日目深夜 セーレス聖騎士と戦闘。タケル捕縛。
三ヶ月と七日目 この間、セーレスはバガンダを通じて聖都に引き渡される。タケルは異端審問を受ける。
三ヶ月と八日目 タケル瀕死。ディーオ・エンペドクレスと邂逅。タケル死亡。魔族種として再誕。
三ヶ月と八日目夜 聖騎士と戦闘。リゾーマタの砦壊滅。エアリスと邂逅。
三ヶ月と十一日目 タケル、ラエル・ティオスの屋敷で目覚める。エアリスと戦闘。
三ヶ月と十二日目 タケル、エアリスと共にリゾーマタを目指す。
三ヶ月と十五日目 タケルリゾーマタの森辺に帰還。パルメニと再会。エーテル界の存在に気づく。バガンダ殺害。聖都を目指す。
三ヶ月と十五~十七日目 セーレス聖都へ到着。
三ヶ月と二十日〜 タケル聖都直前で力尽きる。野盗と戦闘。マンドロスとアイティアを救出。
三ヶ月と二十一日目 タケル聖都で目覚める。
三ヶ月と二十二日目 聖都観光。アイティアと協力関係に。
三ヶ月と二十五日目 奴隷商に扮したラエルと商談。
三ヶ月と二十六日目 ラエルから購入した獣人種四人の競売。アイティア、自らの境遇を嘆く。
四ヶ月と六日目 寿ぎの日。信徒巡礼。タケル大聖堂地下施設へ侵入。魔原子炉発見。地球の兵器で武装した聖騎士と戦闘。セーレスと再会。聖都消滅。
四ヶ月と七日目 聖都消滅後に王都調査隊到着。タケルを発見。タケルを聖都消滅原因と断定。タケル、エアリスと共にラエルのもとへ。
四ヶ月と十四日目 タケル、オクタビア・テトラコルドと邂逅。百年後、龍神の胤を引き渡すことを条件に聖剣の情報を得る。タケル、ヒト種族の敵として人類種に指名手配される。王都諸国連合討伐軍編成。
四ヶ月と十五日目 タケル、エアリスと湯治。エアリスの告白。タケル拒絶。タケルひとりで聖剣の祠へ。
四ヶ月と二十九日目 タケル、再びミュー山脈登頂。聖剣の祠到着。休火山を復活させ、聖剣との邂逅に成功。
四ヶ月と二十九日目~? タケル、聖剣の作り出す異界、無の世界に囚われる。核分裂反応と原水爆召喚。無の世界打倒。聖剣本体を虚空心臓に取り込むことに成功。名実共に最凶最悪の魔王にクラスアップ。厳密には魔族種とも言えない存在になる。
四ヶ月と二十九日~三十日目 タケル、聖剣の祠で覚醒。王都討伐軍と戦闘。エアリス参戦。タケル、聖剣の開門能力で地球を精査。幼なじみ心深を帰還点に設定。エアリスと共に地球へ。
用語メモ
【魔法】
初代エンペドクレスが体系化した魔素(エレメンタル)を利用した魔法。
魔力という無色透明な生命エネルギーと大気中に無限に満ちる四大魔素、即ち【炎】【水】【風】【土】と組み合わせることにより、それぞれの系統に応じた効果を発現させるものを魔法という。
魔法発現に必要不可欠なのものが、魔法師の意志力――即ち【愛】と【憎】である。
【愛】の意志で行使された魔法は万物を癒やし助ける太陽の光となる。
【憎】の意志で行使された魔法は万物を破壊し傷つける夜の嵐となる。
獣人族。
通称ライカンスロープ。
獣の特徴を持つ亜人種で、人間よりも数倍の膂力を持っている。
寿命は人間よりやや長く、発情期にならないと積極的に子どもを作らない。
少数の村を作り、自然と調和しながら生きる。
全体の総数は人間に比べ3分の1程度。魔力的素地は低い。
精霊族。
通称イマジナリー。
希少種族で、四大魔素エレメンツが意思を持った存在だといわれている。固有の姿を持たず、動物の形を持つことが多い。まれにヒト型になる。言語を介することがないので、コミュニケーションが取りづらく、ヒト種族の前には滅多に姿を表さない。カラダの構成が魔素なので、魔法を使うものにとっては精霊を味方につけることで、より強力な魔法行使が行えるようになる。寿命という概念がなく、また空間と時間の縛りが存在しない。魔素が満ちる魔法世界では、姿が見えないだけで、いつでもどこにでも存在する。
長耳長命種族。
通称エルフ。
平均寿命が1000年に届く長命種族。
寿命を迎えるまで老いることがない。
生活自体は獣人族と同じく自然と融和して生きるが、非常に閉鎖的で保守的。
多種族と関わることがほぼない。
例外として精霊族との親和性が高く、精霊の加護を得るものはエルフが多い。
一説にはエルフが森に還った後に、その魂が昇華したのが精霊だとされているが不明。
長命であるがゆえに、精神的成長が他種族に比べて遅く、大人に見えても妙に子供っぽかったりする。
魔物種。
通称モンスター。
魔力を持ったケモノの総称。
通常の獣と違い、体内に魔力を持った魔石を有している。
肉体的に強靭で、稀に固有魔法を使うものまで存在する。
知性は低いが、普通のケモノより戦闘力が高い。
魔族種。
通称インテリジェンス。
今は失われた神話のケモノの特徴を残す根源27貴族とその眷属を言う。
特に27体しか存在しない根源貴族は極めて知能と魔力が高く、他種族を凌駕する。
総じて長寿で、中には1万年を超える寿命を持つものもいる。
基本的に自分と眷属以外のものに干渉することがなく、自分の領地にこもり切ることが多い。
未だその生態のほとんどが謎とされている。
人類種ヒト種族。
通称アガペスト。
寿命は70年前後で、力も弱く、知性も個体差が激しい。
極めて強い繁殖力を有し、他種族を凌駕するほど繁栄している。
道具作成技術が高く、森を切り開き、日夜領土を拡大し続けている。
また個体差は激しいが、魔法を使える魔法師が最も多い。
稀に勇者と呼ばれる上位個体が誕生する場合がある。
【聖剣】
有史以前から現代に至るまで、たった三回(タケルが強引に呼び出したものを含めれば四回)しか姿を表していない局地現象。
いずれも世界の危機的状況下にのみ姿を現し、世界秩序を著しく崩壊させる存在を素早く消滅させ消えていく。過去に一度、三度目に現れたとき、初めてヒト種族の手に渡り、本来無形の概念的存在だったのが剣の形になった。それは担い手と周囲の認識によってわかりやすい形を取ったにすぎないのだが、以来【聖剣】と呼ばれるようになった。
蛇足的メモ
タケルが聖剣に囚われた世界について考察。
タケルが閉じ込められた無の世界は原子と電子を引き寄せる電磁気力を阻害する空間。
その正体はダークエネルギーが充満した空間である。
ダークエネルギーによって重力の反作用が働き、空間は無限に拡張をし続け、重力との綱引きを振り切ってしまう。
ヒッグス場が存在しないため、素粒子が質量を獲得しない。空間そのものからこぼれ落ちていく様が消滅していくように見える。
【ダークマター】
暗黒物質と呼ばれる超対称性粒子。
宇宙の広大さからその総質量を計算したとき、我々が知る素粒子は全体から4%程度しか検出されなかった。残りの96%にも及ぶ物質は、電磁相互作用せず、色荷も持たないため、光学観測が出来ない。未知の素粒子で満たされていると考えられた。それがダークマターとダークエネルギーである。
我々の周りにある全ての物質を構成する粒子が離れないでいるのは、粒子同士を結びつけている力がダークエネルギーよりも強固だから。ダークエネルギーが強まれば、原子はバラバラにされてしまう。
【ビックリップ】
ビックリップ=大きく引き裂かれるの意。
タケルが聖剣によって閉じ込められた空間は、厳密には無の世界ではなく、ビッグリップの宇宙。ダークエネルギーが電磁気力を凌駕し、空間が無限に膨張し続けることによって、すべての原子や亜原子粒子が崩壊する。ヒッグス場が形成されず、素粒子が質量を獲得できないため、そもそも原子が誕生しない空間と考えられる。
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