第2話 : 真相 ( 2 )
「そこで、早々に、リコさんの恋人が怪しいと?」
「いえ … この段階ではそこまでは思わず、彼氏はリコと一緒に居るか、少なくとも安否が分かっていて、連絡を取り合う必要性が無いのだと判断したの …」
リコが残した携帯を、アヤが悲しそうに見つめる。
「私に出来る事は、このリコが自宅に忘れていった携帯に、何か事情を知っている人物から連絡が入るのを、消極的に待つ事。
もう一つは、仮にリコ自身が何者かに狙われて、事件に巻き込まれたとしたならば、あえて私が、リコと入れ代わり世間に
「アヤさんは、身の危険を覚悟の上で、妹さんの消息を掴もうとしたのね …」
「身の危険を覚悟だなんて … 妹の安否を願う姉としては、私が出来る事は、何でもやろうと必死だったの …」
ユウスケの靴底がギリッと床砂利を噛む。
「そこで、リコのイベントには、本人として主催させて頂いたわ。
ご主人様方には、SNSにより大変多く拡散して頂き、また偶然の週刊誌スクープで、テレビクルー取材にも絡んで生放送されたの。
きっとこの生放送を見たのでしょうね。 ユウスケさんから、この日の夜にリコ失踪後、初めて連絡が来たの。 二週間後の、そのタイミングの不自然さが彼への強い疑惑の、きっかけと成ったわ」
「つまり、彼が現在まで、リコさんと一緒では無く、安否も把握してい無いのなら、今まで通り、毎日の連絡を続けていたはず。
しかし逆に、突然、不自然なタイミングで安否の確認を再開した事が、返って彼に疑いの目を向けさせたのね 」
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