第2話 : 真相 ( 1 )
「ええ …。 では、お話しするわ… あれは ″都民の日の祝日の晩、早々の帰宅を約束したはずのリコが、深夜を過ぎても帰らないの。
きっと恋人と会っているはずだら、こんな事もあるかしらと考えてもみたけれど、双子の以心伝心もしくは、虫の知らせと言うのかしら … とてもイヤな胸騒ぎがしたわ。 他人が聞いたら、ちょっとオカルトチックかもしれないわね…。
そこで翌日には警察に失踪の届け出をしたの。 でも … リコには、過去に色々と前科の様なマイナスの要因があって、警察もマトモに受け付けて貰えなかったわ」
「 マイナスの要因と言うと?」
「 無理も無いの…。 二ヶ月程前にも、妹から全く一週間連絡が無くて、警察と、学校側に協力を、お願いした処、それから間もなくヒョッコリと帰宅したのよ」
「で、その時は何かしら事件性があったの?」
「いいえ…。 彼氏や友達の家を転々としていただけだと、本人は悪びれる訳でも無くケロっとしていたわ…」
「あぁ… それでは、警察の対応も仕方がないわね …」
少女が気の毒そうに答える。
「ええ…。でも何とか警察には受持して頂いたの。そこで早速、リコの友達全員に確認を取ってみたけれど…」
「 消息は
「そうね…。でも、失意の中で一つ思い出したのが、リコは毎日、恋人との連絡だは欠かさないと言う事だったの。
改めて考え直してみると、現在彼氏がリコと一緒に居るなら、妹が自宅のリビングに置き忘れて行った携帯に、当然連絡は来ない。
反対に一緒で無いのなら通常通り毎日、リコの携帯に連絡が来るはずだと見込んだわ…。
でも… その後、一ノ瀬さんからのLINEの通知は、毎日来るけれど、恋人らしい人物からは、一切、連絡は無かったのよ … 」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます