第1話 : 光と闇 ( 1 )




ヒマですねぇ … 巡査ジュンサぶちょぅ …」



 駅前ガンダムカフェの隣に位置する、ここJRには、若い婦人警官と来年、定年を迎えようとする初老の男性警察官、常勤二名が駐在している。



「私も毎日、毎日、メイドカフェの、お店の場所


ばかり聞かれて、いい加減メイドに成り


ましたよぅ …」


 気だるそうに彼女がそうナゲき、眠気覚ましにテーブル上の飲みかけのコーヒーへと手を伸ばしかける。 と、そこへ車椅子の少女が現れた。


 アワてて良く見ると、その小さな膝の上には、もう一人、グッタリと、しなダれた女の子が抱かれているではないか。



「大変です! 巡査部長!


 女の子がっ!女の子がぁ!!」



 婦人警官が大声で叫ぶ。



「あなた達、同じ制服着ているけど …


 お友達なのかしら? あっ!!」



の女の子を抱き上げると、そのポケットから学生手帳がパラリと落ちた。




秋葉聖神女学園アキバセイシンジョガクエン 二年B組 一ノ瀬ルミ。


 ああ …


 ここから、5分の女子高校じゃない …?」


 そう言うと、彼女をシカと抱いたまま奥へ入って行き、


「小池部長!大変なんですよぅ!


 早く来て下さいっ!!」


 夜食のカップ麺を片手に、小太りで温和そうだが、どこか少し頼り無い印象の男性警察官が出て来た。


「もう何だい? そんなに、大きな声立て無く


ても聞こえてるよぅ … せっかくのラーメン


が伸びちゃうよぅ…!」


「女の子が …!!


もう!ラーメンなんて、この際、いいじゃな


いですかあ!! だいたいそれに部長!! 痛


風の、お薬飲んでるんでしょう!! こんな脂


っこい食事して、また奥さんにドヤされます


よっ!! 」


「豚骨ラーメンは、止めたから、いいんだよう。


でもさぁ、スープにチョッピリ、ご飯を入れてる事、


奥さんにはにしてよぅ


…」


「何っ下らない事、言ってるんですかぁ!!部


長、大変なんです! ズブ濡れの女子高校生が


二人 … あっあっれ …? 」


 振り向くと、さっきまでそこに居た車椅子の少女の姿が無い …


 直ぐに、女子高生を抱いたまま、外へ駆け出るが、モヤのかかった街が、彼女の行方をサエギる。



タチバナくぅん …。 しっかりしてくれた


まえよぅ…」



 そう言う彼は、セワしく、ラーメンをススり続ける手を、一向に止め様とはしなかった。





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