魔殺の騎士

作者 桜きさらぎ

35

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★★★ Excellent!!!

本作の主人公――王子フィランス。

その二面性のあるキャラクターに、まず読者はびっくりするでしょう。
いや、もう三面性といっても過言ではありません。

奥手で、および腰な側面があるという前提がありつつ、まず導入部分でとても残虐な行為を働きます。ここで、本作を読む目が大きく開きます。
ところが読み進めていくと、フィランスには強い思いがあることに気づきます。
「国を守る」
この一心です。
そこから発せられる言葉は重く、説得姓があります。
読者はフィランスの行動と言動に、左右に振り回されることでしょう。
と同時に、話の進め役のセシリオに共感しながら、フィランスの後を追いかけるように読んでいけることかと思います。
まず、非常に読みやすい作品だと思います。私は二日くらいかけて楽しもうとしたところ、一日の、しかも夜だけで一気読みをしてしまったくらいですから。

このフィランスというキャラクターに、本作最大の特徴があります。

「なぜ、三面性を有するのか?」
「なぜ、残虐性を有するのか?」

それは、筆者が作中世界の設定を「まるで目の前に広がるがごとく」現実的に描いているからにほかなりません。
すなわち、ファンタジー世界における魔物とは、単に恐れるだけでなく、単にまがまがしいだけでなく、「いかなる行為を働いたとしても駆逐すべき存在」なのです。ここが、しっかりと描かれているのです。

そういう意味で、とても新しい書き方だと思います。
ぜひ、この温度観を味わっていただきたいと思います。

フィランスとセシリオに加え、最新話では銀の女剣士クリスティアも登場!
いよいよ仲間も増え、物語は中盤へと入っていきます――。

★★★ Excellent!!!

重厚なファンタジー作品です。
カタカナの名称が多い作品は目が滑りやすく、認識までに何度も読み返すことがあるのですが、この作品はそのようなことはなくスムーズに読めます。
色の表現が多彩で、それがキャラの内面や心情に合わせた比喩を選ばれていて、個人的にすごく好きです……!

★★★ Excellent!!!

軽い異世界ファンタジーはよくありますが、こちらはどっしりとした重厚な作品。高い文章力と相まって、目の前でキャラクターが動いているようなリアルさを感じ取れます。
王子が変わったことによって、セリシオとの関係性にどのような変化が現れるのかにも注目しています。