第59話 魔物の活性化 4
ギルドに帰り、報告をすると他のギルドからも同じように魔物が多く出現していること、また普段よりも強くなっているという報告も上がっているようだった。
それを聞いてエクスは早く帰ることにして良かったと思った。
「報告でもあったけど、魔物の動きが活発になっているみたいで依頼の量は増えているけど、それに伴って今までよりも強くなっているらしいから、人数を増やしてランクも低めを行くように」
そうアシルからお達しがあり、エクスは少し不満があった。
「それって僕も依頼のランクを下げなきゃダメですか?」
エクスは現状レイと二人だからこそBランクの依頼を受けているが、今このギルドには他にBランク以上がアシル、ナティ、ルアしかおらず、もし人数増やすことになると魔物が強くなっていることも加味して依頼のランクを下げることにもなってしまい、エクスにとっては少し物足りないと感じてしまう。
「まあ、エクスは1人でもBランクの依頼余裕だろうから、1人でも——」
「待ってください!」
アシルの言葉を遮るようにレイがそう言った。
「お、どうした?」
「それなら私も依頼のランクを下げたくないです」
ここでもエクスと差を広げられるのが嫌なのか、レイも依頼ランク下げられるのを反対していた。
「レイの実力も上がってきてるし、エクスと2人だったら、まあ良いかな」
「……それなら」
レイは納得してなかったみたいだけど、依頼ランクを下げられるよりはマシだったのか、それで納得した。
エクスは今までとあまり変わらないため、特に不満などはなく、声を上げることはなかった。それにレイと依頼を行うようになってからはスキルの便利さなどを実感していたため、依頼ランクを下げない代わりに1人でやることになっても大変だったと思い、エクスはレイと依頼をできるのがなんだかんだで嬉しかった。
この時、エシルは自分のランクを理解していたため、エクスと同じBランクの依頼をやりたいと言い出すことはなかった。ただ、実力はレイよりもあったため、レイが認められているのは納得していないようだった。
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