第15話 初依頼 1
「よし、エクス、エーシェ、ルクセンには今日、してもらいたいことがある」
エクスたちは今日も同じように訓練を行うため外に向かおうとしていたところ、アシルにそう声をかけられた。
「してもらいたいこと?」
ルクセンがすぐにそう聞き返した。
「今日は、このギルドに依頼がきたからそれをこなしてもらう」
「おおっ!」
エクスはこのギルドに来て初めてギルドらしいことを聞き、少し興奮した。
「またですか?」
不満そうにルクセンはアシルに聞き返した。
「なんでそんな不満そうなんだ?」
エクスは依頼なんていかにもギルドらしいことなのに、どこに不満があるのかわからなかった。
「なんでって、どうせ最低D5ランクの依頼なんだからな」
「D5ランク?」
エクスは聞き慣れない言葉だったため、そう聞き返した。
「ああ、そういえば、まだランクについては話してなかったか」
エクスの疑問に対してアシルが答えた。
「まあ、簡単にいえば、個人の力量をわかりやすく示すための共通の位のことだ」
「なるほど?」
エクスは何となく理解することはできた。
「この位は依頼にもあって、おおよそ同じランク帯の依頼しか受けることができないんだよ」
「へぇ、そんな仕組みがあったんだ」
エクスは初めて知ったその内容に少しだけ驚いた。
「ランクについても簡単に説明すると、D、C、B、A、Sの5段階あって、更に細分化するようにDランクだったらD5〜D1まであり、全部で25段階のランクで分けられているんだ」
「なるほど」
「そういうわけで、今回俺たちがやる依頼はその最低ランクのD5っていうわけだ」
そのことを聞いてエクスはようやくエーシェとルクセンが不満に思っている理由がわかった。
つまりは物足りないということだ。
せっかくギルドに入ったのに、やるのは最低ランクの依頼で簡単なもの。それはやる気が出ないというものだ。
そんなことを考えていたらエクス自身もやる気が削がれ、不満に思うようになった。
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