第19話
なんとか板を持ってゲレンデにたった僕らを3人が眺める。板とブーツを選んで準備するまでに色々と頭を使わされた気がする。ボードデビュー2人に合わせ本日のゲレンデはパルコール嬬恋になった。ここはロングコースがウリで、ゴンドラで一気に上まであがればビギナーも山頂から滑り出せるという珍しいレイアウト。・・・のはずだ。
「秋元はレギュラーで、セキはグーフィーかぁ」
「こっちで合ってるのかわかんないですよ?」
「大丈夫、たいじょうぶ。違っててもそのうち慣れるから」
しのさんがいい加減な台詞をもっともらしく言うが、これはてきとう発言だろう。後ろでワタルが笑っている。
「ワタル、アドバイスくれる?」
2人よりボード歴は短いが、誠実さは上のワタルに期待する。いや、さっきから笑いっぱなしなのはワタルなのだが。
少し考えてからワタルが腰を落とした姿勢をとる。そのままの態勢で右足を左右に動かしてみせた。
「やっぱり、動かしやすい足が前じゃないかな」
すぐにセキが真似をする。
「なんか、オレ左足の方が動かしやすい気がしてきました」
「うん、実はじぶんもさっきから右足の方が動かしやすいような気がしてる」
ビギナー2人をみながらしのさんがとても良い笑顔をみせる。
「まぁ、それも含めていってみよう!」
タケ坊の掛け声の後を追ってみんなでゴンドラ乗り場へ向かった。
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