第16話 再び夢の世界ヘルムへ…

「もっとこう、何かないのか? 情報」


日中、炎天下の中歩き回っているせいか、夜深い眠りについてしまい、ここ数日は夢を見られずにいた。


「申し訳ありません。私、自分のことなのに何もできなくて」

「何言ってんだよ。シロが家のことしてくれるの、すげー嬉しいし助かってるよ」


というか、いるだけで癒しだし。

存在が天使だし。


というのは、さすがに我ながら気持ち悪いので黙っておいた。


「そういえば、夢の中でカードのカタログもらったんだけど、おまえが持ってたカード以外にも種類あるのか?」

「私もすべては知りませんが、かなりの種類があるみたいです。日々、ジュリオ様が開発しているようなので」

「そっか。おまえを夢の中に呼べるカードとか、あればいいのにな」


例えば、どこにでも呼び出せるような。

……って、あれ?


俺はクローゼットにしまっていたカードの束を取り出し、1枚1枚確認していく。


「あったああああああああああ!!!」

「ふえ!? な、何があったんです?」


シロは何かお仕置きされるのではと、びくびくしながらカードを気にしている。


「ああ、いや、大丈夫。お仕置きじゃないよ。特殊カード。おまえここに来たばっかの時、言ってたよな。『私をどこにでも瞬時に召喚したり、私に強制的に何かをさせることができるカードです』って。てことは、夢の中にも呼べるんじゃないのか?」


「あっ……! でもどうやってカードをヘルム国へ持っていくんです? むこうのっ世界で新しく買う、とか?」

「ちょっと試したいことがあるんだ」


この日俺は、何度も何度もカードを隅々まで確認し、眠りについた。


◇ ◇ ◇


気が付くと、俺はまたあの奇妙な自室にいた。夢の中だ。


「飛べるくらいなんだし、念じれば出てきたりするんじゃないかな」


意識を手のひらに集中させ、カードを強くイメージしてみる。

すると――カードが出てきた。


夢ってすげえええええ。

え、もしかして、カード出し放題??


俺は適当にカードの内容を思い描き、イメージしてみた。

しかし出てきたのは、何の力もない、ただのレプリカだった。

なぜレプリカだと分かるのかは不思議だが、このカードは違う、ということを直観的に感じたのだ。


どうやら、むこうの世界で持っているカードを呼び出すことはできても、カードを新しく作ることは俺にはできないようだった。


「まあいいや。じゃあこれで早速シロを召喚……」


俺は出てきたカードを高く掲げて、そして気が付いた。


「使い方聞いてねええええええええ!!!」


なんというデジャヴ。自分の学習能力のなさが嫌になる。

名前を呼んだり、カードを投げてみたりしたが、シロが召喚される気配はない。

一応サイトも確認してみたが、カードの使い方は書かれていなかった。


「仕方ない。シロの召喚は次回かな……」


いや、待てよ。

せっかくだし、またジュリオのとこに行ってみるか。


俺はカードを家に置いて、ジュリオのいるヘルム株式会社へと向かうことにした。

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