第15話 ジュリオをさがせ!

ツイート内容を見てみると、


「人間なんて馬鹿ばっかりだ」

「愚か者を自由にしていてもろくなことがない」

「カードゲームみたいに、カードで人を支配できればいいのに」

「〇〇を奴隷にして苦しませてやりたい」


などと危なげな発言が目立つ。

ちなみに「〇〇」は特定の誰かではなくころころ変わっている。

誰か1人を奴隷に、というよりは、誰でもいいから虐げたい、という歪んだ欲求が感じられる内容だった。


「なあシロ、これ、ジュリオっぽい気がするんだけど、おまえどう思う?」

「……えっと、ごめんなさい。私、文字が読めなくて」

「あ、そうなのか。ごめん」


俺はツイート内容を音読し、シロと一緒に確認していった。

それにしても、夢の中では現実味を帯びていたヘルムだが、こうやって文字で見ると痛々しいことこの上ない。

厨二病をこじらせて、悪の組織とかに憧れちゃった系の匂いがぷんぷんする。


だが、気になることがある。

Twitterの更新が、なぜか去年でぴったりと止まっているのだ。


飽きたのか?

もしくは成長して、黒歴史となったこのアカウントは捨てて、新規で作り直したとか?

いやでも、ヘルム株式会社は現在も運営中だった。


「多分これ、ジュリオ様で合ってると思います。『おまえらみたいな馬鹿は、僕が支配してあげた方が世のためなんだ』って、よく言っていたので」


まあ、こういう危ない奴は大抵こういうことを言ってそうだが、今はこれがジュリオだと思って進めるしかない。


俺は、さらにツイートを遡っていく。

すると、池袋にあるカフェの写真を見つけた。

そのツイートには、『馬鹿どもが騒いでて煩いので、少し休憩』と添えられていた。


ご丁寧に窓から外を撮った写真までついていて、池袋に馴染みのある奴ならどこのカフェだか一目瞭然だ。

というか、これだけ世の中を馬鹿にしておいて、オシャレなカフェで写真撮って世の中に向けてアップするって何なんだ。

かまってちゃんか。


「ちょっと、食べ終わったら池袋をうろついてくるよ」

俺は残りの朝食を食べ終え、出かけることにした。



この日から俺は、池袋の周辺をくまなく歩きまわった。

夏休み真っ只中ということもあり、朝から晩まで人でごった返している。

外見は、夢の中のまんまではない可能性も高いが、面影くらいはあるかもしれない。


夢の中のジュリオは、赤みがかった金髪ロングで、切れ長の目をしていた。

そのままの格好で出てきてくれれば、相当分かりやすいのだが……。

だが、そんな人は見つけられなかった。


それならば、と、面影のある人を探そうと思ったが、疑えば疑うほどどの男も怪しく見えてしまう。

もしかしたら、性別が違う可能性だってある。


「こんな中から見つけるなんて無理だろ……」

自分で自分にツッコミを入れずにはいられない。


結果から言うと、俺は、この作戦には3日で挫折した。

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