無料で奴隷を手に入れたけど、これからどうしよう?

ぼっち猫

第1話 奴隷、買いませんか?

朝、俺はインターホンの音で目を覚ました。

ドアを開けると、見知らぬ女の子が立っている。


「えっと……?」


「初めましてユーヤ様。この度は、私をお引き取りくださってありがとうございます。」


女の子は、ドアの外に正座をして、俺に深々と頭を下げる。


……いったい、何が起こってるんだ?

というか、誰だこの女の子。


俺は起きたての頭をフル回転させて必死で考えたが、全くもって分からない。


「……あの?」


女の子は不安そうな表情で俺を見上げてくる。


腰近くまである銀色に近い金髪が、サラサラと動く。

顔も人形かと思うくらいに整っていて、目を見ていると吸い込まれそうだ。


というか、めちゃくちゃ好みだ。


しかし、早朝に部屋の前で正座をして「ユーヤ様」なんて、俺は女の子にそんなことをさせる趣味はない。


「あの、たしかに俺は勇也だけど、同じ名前の人違いでは? 部屋を間違ってるとか」

「そんな! 先ほど『奴隷救出プロジェクト』から、私を選んでくださったじゃないですか! 私です! シロです!」


この「シロ」と名乗る女の子は、泣きそうな声で胸の前で手を組み、必死でそう訴えかけてくる。


「いやでも、俺今起きたところだし……」


そこまで言って、ふと先ほどまで見ていた夢を思い出した。


◇ ◇ ◇


俺は、いつものようにネットサーフィンをしていた。

特に目的があったわけではないが、何となく、面白いネタを見つけるとついそこから延々とネットの海を彷徨ってしまうのだ。

そんな時。


「……奴隷救出プロジェクト?」


タイトル下に表示されている文章には、「奴隷、買いませんか?」「タダで入手可能な処分品もあり!」と怪しさ満点の言葉が並んでいる。


こんな検索サイトのトップに人身売買のサイトが堂々と出てくるとは思えない。

恐らく、何かいかがわしい、エッチなお店のサイトなのだろう。

そう思いながらも、何となく好奇心でクリックした。


サイトのトップページには、「オススメ!」という文字とともに、女の子の写真と簡単なプロフィール、金額がセットで書かれ、ずらりと並んでいた。

そして右端の方に、「処分品(無料)」の文字。


無料でこんな可愛い子が来てくれるなんて、逆に怪しい。

てか、処分品ってどういう意味だ?


処分品のページに飛んでみると、「彼女たちは、近々処分する予定の売れ残りです。コストをかけずに奴隷が欲しい方、彼女たちを引き取ってみませんか?」というような売り文句が書かれていた。


そしてその少し下に。俺は見つけてしまったのだ。

ものすっっっごい好みの女の子を。


え、タダ? タダでこの子をくれるってこと?


夢の中というのは、時に現実なら絶対にあり得ないような出来事をさらっと受け入れてしまうものだ。


俺は、その女の子を、タダで購入した。


◇ ◇ ◇

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