・・
「男の子です」
瞬時、確認する。そこにはまん丸いタマタマがででんとあった。顔だけで後ろを振り向いているソレは嫌そうな顔をし、解放されるとすたすたと戻って行った。
「君の勘違いでしたか。それは僕も分かりませんでしたよ。ははははは」
「はははははじゃないですよ。なんでもっと早く言ってくれなかったんですか!」
「ですから、何か違うものが見えているのかもしれないと思ったんです」
「そんな。いや、でもなんで女性になった……てか化け猫?」
「何を今さら」
白子。もとい、太郎はこの道三百年ほど生きている化け猫だということだ。最後の飼い主が出雲大社で今ここにいる。そして実はオスだった。湖が女性だったために太郎も女性に化けて出てきたんだろうと出雲大社はホットチョコレートを飲みながらさらりと言った。
解せないことが一つ。
動物園で白子は男性職員に結婚しているのかと聞いていた。この真偽の程は今のところ怖くて聞けない。出雲大社も警戒心ゼロの笑顔だし。また別の機会に聞くことにしよう。
「とにかく、この件は片付いてよかった」
「あんなことが起こるなんて怖かったけど、でも、助けてくださってありがとうございました。あの、もう一つ聞いてもいいですか」
「どうぞ」マグカップに口をつけた。
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