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「……クソ。おまえが、出雲か」
「あら。光栄ですね。君のようなゲスにも僕の名前が浸透しているなんて。まあ、君のようなゲスの底辺には僕は到底雇えないだろうけどね」
ふんと鼻を鳴らして手で髪をかきあげた。
「さて、それじゃあ僕はさっさと君を殺しちゃおうかな。君一人でも殺したらきっと地球にとっても優しいと思うし。言い残すことは無いよね。うん。無いね。まあ、あっても聞かないけど」
「おまえごときに俺の気持ちが分かるか! これまでの人生最悪だった。足が不自由なせいでみんなと違うって言われて仲間はずれにされる。同情で一緒にいられるこのみじめさ、分かるか! 殺すだと? その言葉だって幾度となく浴びせられた。余計なこと思い出させやがって」
「君のその気持ち分かる必要ある? ないよね。僕には関係ないし君のことになんて全く興味がない。言ってることがくだらないんだけど」
「おまえ、体の不自由な人を見てもなんとも思わないのかよ!」
「ははは。誰が不自由だって? 鍛えてたんでしょう? もう片方の足。動くじゃないちゃんと。それに、君のような人って世の中多いよ。少なくとも彼らは自分を悲劇のヒロインにはしていない。自分の道は自分で切り開いている。甘えん坊のクソの極みの君には分からないかもしれないですけどね」
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