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採用基準は動物のことをどんな分野でもいいから研究し、今後も動物と向き合ってデータを取り、未来の動物に向けてプラスになることをしていく人間を採用のラインとして見ている。だから、動物に危害を加えるような人は取っていないと自信を持って言い、自分で納得するように頬の肉を揺らしながら力強く何度も頷いた。
「だったら……一度そちらに伺って様子を見させてもらうしかなさそうね。明日でいい?」
似ていると思った。白子は出雲大社と性格が似ている。
このごり押し的な感じも上から見下ろして物言いう角度も、そっくりだ。今だって、木立の予定なんててんで無視で、やっかいごとは早く取り除こうとばかりに明日でとか勝手なことを言っている。
「はい。明日で大丈夫です。こういうことは早い方がいいですから」
マグカップを両手で回しながらもじもじし、瞬きの数が多くなる。
「いいんですか。今日の明日で都合つくんですか。動物園の都合とかもあるんじゃないですか?」
湖の方が不安になり、ちゃんと確認したほうがいいんじゃないかと聞く。
「いえいえそこのところはなんとでもなりますし、なんせ私は表には出ないので、明日来て頂けるのなら助かります。ここのオーナーは見ただけで分かるって噂でしょう。それならもし従業員のうちの一人なら……そうは考えたくないですけど。早い方がいいと思いますし、もし内部の犯行だったら昼間から変な行動する人もいないと思いますから」
安堵の声と、これで原因が分かるという気持ちを全面に押し出して木立は何度も『宜しくお願いします』と頭を下げた。
ここからにこにこ動物園までは車で行くことにたった今、白子の独断で決まった。木立にどのくらいかかるのかを聞いたら、明日は平日の昼間なのでそんなに混んではいないだろうから二時間もみてくれたら着くだろうという情報をもらった。
それならと、明日の正午に伺う約束を立て、今日のところは一端終わりということで、話はまとまったのだった。
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