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幽霊がよく目撃されるという夕暮れ時や夜間。
そんなとき人の目は特殊な働きをする。
視細胞には錐体細胞(すいたいさいぼう)と桿体細胞(かんたいさいぼう)があり、錐体細胞は明るいときに赤色の感度が上がり、桿体細胞は暗くなると青色の感度が上がる。
つまり、夕方過ぎになると錐体細胞の感度が落ちるために、赤は黒ずんで見え、桿体細胞は感度が上がり青がよく見えるという状態になる。
最近の脳科学の研究によると、「心霊現象」は、磁気が関係しているという。磁気が脳にある影響を及ぼしているというわけだ。
「だからね、霊の正体は『プラズマ』ってわけだよ。結局のところ磁気だからね」
とよく分からない専門用語をバシバシ入れ込んで話を一息に言った、うんちく大好き占い師は満足気に頷きコーヒーカップを手に取ろうと……
「熱めのモカです」
「グッドタイミングだね。ありがとう」
言い終わったすぐ後で目の前にコーヒーカップを置いた。
つまりは、『霊なんているわけないよね』風を堂々と吹かせているわけで、完全に科学的側面から否定している。
が、先ほどはいると言い切ったと思ったら今はいないという。
なんともふざけているとしか言いようがない。
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