三
三
高宮が話し始めた。
体に異変が起きたのは今から十日ほど前のことです。
その日は夜中まで彼氏と無料通話アプリを通して話を楽しんでいました。
しかし、天気がよくなかったせいか、その日の電波状況は悪く、途中で雑音が入ったり無音になったりして、声は明るく繕っていてもお互い心の中はもやっとしていました。
それでもお互いにまだ話していたかったから、、窓のところへ移動してみたりしていたときにそれは起こったんです。
突然、電話の向こうで彼氏の悲鳴が上がり、「うわ! まじふざけんなよ、やめろよ、なんなんだよおまえ。そんなことしてただで済むと思うなよ」という声を最後に電話は切れてしまいました。
その日はそれから何度電話をかけても留守電になり、ラインを送っても既読にすらならなくて、家を飛び出して行きたくても夜中だったから行くに行けず、翌日学校に行ったら会えるからその時に聞いてみようと思っていました。
しかし、彼氏は学校を休んでいました。自宅へ行っても誰もいないのか、家はしんと静まり返っていたんです。メールもラインも未読のまま。彼と仲の良い男友達に聞いてみたところ、彼も連絡が取れなくなって心配していると言っていました。
誰に聞いても手掛かりはなかったし、彼からの連絡も何日経っても無かったんです。
そこで、噂に聞いたこの『お告げカフェ』を探しに新宿をさまよい続けていたんです。
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