第176話:プロポーズ

凛音目線___




「凛音。」


「玄。久しぶり!」


「大変だったって猫音様から…。」


全身を見渡し、凄く心配そうな顔をしている。


「私は大丈夫だよ。頭打ってたから検査とか、傷の治療したけど、今はもう自宅療養だから。」


「良かった…。先輩方は?」


「大丈夫だよ。命に別状はないって。まあしばらく入院生活だけどね。」


「そういえば戦闘不能で休暇貰ってるんだったな。」


「玄は?忙しい?」


「今かなり忙しい。1日3時間寝れたらいい方…。それでもあと少しな気がする。」


「無事に帰ってきてね。」


「もちろん。猫音様と待ってて。」


「分かった。」


「でも万が一のことがあればよろしくな。」


「縁起でもない。分かった。でもあの子のわがまま付き合いきれるのは玄しか居ないからね。」


ふふっと笑い、


「実はさっき猫音様から家族になろうと言われた。」


「うぇっ!?」


「なんて声出してるんだ。」と笑った玄は見違えるほど優しい顔をしていた。


「そ、そ、そ、それは結婚!?」


「まあ、そんなところ?」


「おめでとう!」


「よく分からないけど猫音様…じゃなくて猫音はおじい様達に言っていたらしい。あとこの前の戦闘で好きな気持ちも一緒に居たいという気持ちもきちんと伝えないといけないって思ったってさ。」


「そっか…。良かったね…!断られるって思ってなさそうなところが猫音って感じだね。」


「まあ関係性はあんまり変わらないだろうけど…家族にちゃんとなれる。凛音も含めて。」


「家族…。そうだね。」


「しばらく前線には出ないだろうけど気をつけて。落ち着いたら家族としてご飯でも行こう。」


「いつになるか分からないけどね。」


「早く終わらせるために行ってくる。」


「うん。行ってらっしゃい。」


玄の姿を見送って、この前の蒼桜にいと羅希先輩を思い出す。胸が痛い。これは嫉妬だ。そして私は分かってる。蒼桜にいはきっと…。

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