第170話:私の知らない蒼桜にい
凛音目線___
あんな姿を見たのは初めてだった。蒼桜にいとは小学生の頃からの付き合いで、いつもニコニコ優しくて、どちらかと言えばふんわりとした人だった。なのに今の蒼桜にいは例えるならば…手負いの獣だ。
羅希先輩と何を話していたのかは分からない。聞こえなかった。というか聞かなかった。でもあの二人の顔を見ていると、なんだか心の中に雲がかかる感じがする。これをなんて言うんだっけ?今の私にはそれを考える猶予はない。
目の前の敵を斬る。敵は今のところ30人。1人あたり6人斬ればいい。幸い私達は挟み撃ちにされない場所で戦っている。蒼桜にいは若干ふらつきながらも敵を安定的に斬り捨てていた。目の前の敵に深く刀を突き刺す。返り血でぐしょぐしょになった服が不快だった。
「凛音。残り10人。一気に畳み掛けるよ。」
「はい。」
目の前には身長が2m近い人がいる。その人は面倒くさそうに一言
「あーあ、赤軍に土産がないままじゃん。」と呟いた。
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