第139話:実家へ
凛音目線___
戦争は本職の方々同士の戦いになりそう。今は関連施設を守るために学生は警備につくことになった。そこで私は実家行くことになった。
「大和高等学館戦闘学部騎馬兵団所属の神咲蒼桜と申します。班員計5名でお邪魔させていただきます。よろしくお願いします。」
「「よろしくお願いします!」」
「こちらこそ警備よろしくお願いします。」とお父さんが頭を下げる。そしてこっちを見て近づいてくる。
「おかえり、凛音遠かっただろ?皆さんも遠いところからわざわざありがとうございます。部屋は相部屋になってしまいますがごゆっくりおくつろぎ下さい。」
お父さんが案内している時に
「お姉ちゃんおかえり!!」と優和が飛びついてくる。
「優和元気だった?」少し大きくなった弟を受け止める。
「うん!お姉ちゃんは?怪我大丈夫?」
正月会った時も同じ事言ってた。それぐらい怪我する危ないことをしてるイメージなのだろうな。
「大丈夫だよ。優和はいい子にしてた?」と頭を撫でながら行くと奥から赤ちゃんの泣き声が聞こえる。生後3~4ヶ月の赤ちゃんは末っ子の
「たすくねー、首座ったんだよー!」
「ほんとに?ちゃんと佑のこと見てたんだね!」
「ゆーわはお兄ちゃんだからね!」
「こちらの部屋が男性お二人、こちらが男性お一人、凛音の部屋に女性の方でお願いします。」
「わかりました。ありがとうございます。」
蒼桜にぃが丁寧に頭を下げるのが見えた。
「おい!凛音達来たぞ!」
奥からお義母さんの返事が聞こえる。
「こんにちは。赤ちゃんが居るのでうるさくなるかもしれませんが、よろしくお願いします。」
「こちらこそ大変な時期にお邪魔致します。」
蒼桜にいが対応する。
「凛音おかえり。」
「ただいま。」
末っ子(佑)の育児でイライラしているお義母さん。本当は喜んでないけど、お父さんと優和の手前演じてるんだろうな。とりあえず挨拶を済ませると羅希先輩と懐かしい部屋に入る。
「凛音の部屋かー!」
「部屋数足りなくて相部屋になってごめんなさい!」
「いつも相部屋なんだから変わらないでしょ?逆にお邪魔しますって感じよ!」
荷物を出しながらそんな話をする。安心するな。
「凛音!」外から聞こえるのはお父さんの声だ。
「はーい!」
「後で準備出来たらモニターとか施設の案内頼む!」
「分かった!」
厩舎やモニターを先輩方に案内し、自分達用に新しくカメラを何台か設置した。
「これで全てのモニターが見られる。」雨梨先輩にみんなの部屋のテレビにモニターを連携してもらった。これで異常に気づきやすい。設定してる時も気になっていたけど、雨梨先輩の右手は痛々しいままだ。あの時雨梨先輩がだんだん重くなっていくのを感じて怖かった。あの時私が斬りもらさなければこんな事にはなっていなかったのに。
「凛音。」と顔だけ振り返り、雨梨は私の名前を呼んだ。
「はい。どうかしましたか?」
「僕が怪我した時助けてくれてありがとう。おかげで僕は生きてる。」
「そんなこと…。」
「戦場って本当に何があるか分からないよね。だからこれは運が良かったよ。生きて帰ってこれたし、手もいつか治る。凛音が助けに来てくれたから、早く連れて帰ってくれたからだよ。」といつも静かな先輩が言葉を繋いでいる。
「そもそも私が敵をやり損ねたのが原因で…。」
「僕の対応が遅れたのも原因だよ。凛音はその後僕を助けてくれた。それだけで充分だよ。何をそんなに責める必要があるの?」と立ち上がり私の前で笑う。なんでそんなに私の気持ちに気付くのだろう。不思議といっぱいいっぱいの気持ちが軽くなった。
「ありがとうございます。」
「こちらこそ。」
そう笑う先輩は、少し湿った目をしていた。綺麗な髪と合わさってふり積もった新雪のように綺麗だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます