第112話:人影

凛音目線___

 雨梨先輩が戦闘訓練からも離脱して数日。会わない日が何日も何週間も続いた。馬の手入れは来ているらしいけど、何処に行っても会えない時が続いている。奇龍先輩はほっておいてやってくれと言うから、きっとそうするべきなんだろう。

「戦闘準備。戦闘準備。各自配置に着くように。」

「っ!瑞樹君!」

「んっ…!起きてる…。」

 心臓が高鳴る。2回目でもまだ慣れることはなかった。


「全員揃ったね。行くよ。」

 蒼桜にぃの声で馬を進める。校舎が見えた時、見覚えのある人影が見えた。

「雨梨先輩…?」

「凛音。集中して。これから戦場に行くのよ。」

「はい。」

 前の羅希先輩の声で、馬の轡たずなに力が入る。

「凛音。雨梨の分まで頑張ろう。」

「うん。」

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