第72話:班長お疲れ

蒼桜目線――

 疲れたという言葉さえ形にならず、ただ息だけがぬるい空気に溶けた。元々家が黒軍の軍関係者である生徒は疑われないから、班員では俺と雨梨が疑われている。雨梨は技術者だし余計にだ。凛音は元気かな?

 疲れた体を引きずって携帯に手を伸ばす。

 次、目を開けると朝だった。あぁ、もうなんだかな。また息が溶ける。雨梨はラボだし、奇龍は先生のパシリにされていて部屋にいない。恐ろしいほど静かな朝にまた寝そうになる。目を覚まさなきゃと手を伸ばし、飲みかけの水を口にする。ストレスかな、体が重くて熱い気がする。起き上がると軽く目眩がした。メンタル弱いな、俺と苦笑いし立ち上がった瞬間世界は真っ暗になった。

 羅希、奇龍、雨梨…そして凛音。班長としてちゃんとみんなを守れてるか?

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