第56話:親子喧嘩
凛音目線______
暇だ…暇すぎる…。課題はもうほとんど終わってるし、最近蒼桜にぃは忙しいからなかなか電話に出ない。どっちにしろ今の時間は蒼桜にぃと羅希先輩は完璧電話に出られないだろう。奇龍先輩は基本的に昼のこの時間は通じないし、雨梨先輩は多分ラボだからな。親子の会話なんて新しいお母さんが来てから全然しないし、何を話していいかわからない。
「なぁ、凛音。」
「ん?」
「高校楽しいか?」
「うん!」
「そうか…あの班長していた男の子は確か神咲君じゃないか?」
「そうだよ。」
なんでそれを聞くの?
「仲良いのか?」
「うん。中学から仲よかったし。」
「その…恋仲なのか?」
恋仲…付き合ってるかってこと?
「全然!先輩後輩っていう関係だし。」
「ならいいけど、お父さんはあの子と付き合うのは反対かな。」
「なんで?」
「しっかりしてなさそうだし、見た目が派手だし名前も如何にも頭の悪い親がつけたような名前じゃないか。」
「お父さんに何が分かるの?」
きっと私の声はいつもと違っただろう。
「っ!」
「お父さんは何も知らないくせにっ!蒼桜にいのこと何にも知らないくせにっ!私が苦しい時に側にいてくれなかったお父さんに、蒼桜にいのこと言われたくないっ!」
リビングから自室に戻り荷物の整理をする。
「どこに行くんだ!」
「どこでもいいじゃん!お父さんには関係ない!」
溢れる感情が止まらない。
「関係ないわけないだろ!」
「もうほっといてよ!私はっ!私…は―――」
あっ…発作だ。そのまま闇に落ちていくような感覚を味わった。助けて…。
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