第16話:悪い事をした
羅希目線__
厩舎に凛音の分も馬の手入れをしに行く。すると頭に包帯を巻いた子がうろちょろしている。昨日のあの子か。
「あんたなにしてるの?」と声をかける。
「いやーちょっと昨日忘れ物したみたいで…。」明らかに嘘だ。
「忘れ物ねぇー。それって奇龍のことかな?あんた奇龍のこと好きでしょ?」
「あなた一体誰なんですか?」
「神咲班3年九万里羅希。」
「九万里先輩のお姉さん…。」
「別に奇龍実際モテるし、好きになるのは勝手だけどさ。奇龍と仲良くなるために凛音をつかったり、凛音に無理言って連れてきてもらったのに凛音の言いつけ破って、それで危ないところ見られたからって凛音にあたらないであげてよ。」
「そんな言い方ないじゃないですか!私は怪我したんですよ!」
「兵士なら戦場行ったらいくらでも怪我するから、怪我の一つや二つ何よ。私は死にかけた可哀想でしょとでも言いたいの?」黙りこんでしまったけど続けて言う。
「言っとくけど凛音は注意したはずだよね。それを破って怪我したのは自業自得じゃないの?あんたみたいなやつ戦場出たら死ぬよ。分かったなら帰りな。もうここに近づかないようにね。」そう言うとその子は無言で去って行った。奇龍には悪いことをしたかもしれない。一途に恋してるのは分かった。だから奇龍の彼女になったかもしれないのに。
「あれ?姉ちゃん!」
「あ、奇龍。」
「どうしたんだよ?」
「凛音の馬の手入れしにきた。」
「俺も!真似すんなよ!」
「してないわよ!…そうだ、奇龍なんか食べたいものある?」
「ん?うーん。アイスとか?」
「安いやつならおごってあげる。」
「マジで!やったー!って…姉ちゃんなんか企んでない…?」
「企んでないよ!」
「言ったな!二言はないぞ!」まあアイスで埋め合わせするのもどうかと思うけど、弟への埋め合わせは食べ物って昔から私の中で決まってる。
「てか凛音はどうなんだよ?」
「動かないかなー死んでるのかも。」
「はい!?」
「冗談よ。」
「たちわる!」
「気になるなら奇龍電話してみたら?」
「姉ちゃん!それだよ!」といい電話かける。
「もしもし!凛音か!?あのさー厩舎今から来れるか?…うん!馬乗ろうぜ!…あぁ待ってる!」
「じゃあ私戻ってるから。」
「姉ちゃんはやらねえの?凛音来るのに?」
「三年は忙しいのよ。」と言い厩舎を後にする。
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