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作者 ドラムギター

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★★ Very Good!!

 夢を追うことの難しさ。人を想うことへの葛藤。それを乗り越えた先にある色鮮やかな世界。

 例えば、すれ違う誰かがこんな風に人生を紡いでいるとしたら?
 例えば、今話しているこの人はこんなことを抱えているとしたら?

 きっと、そんなことすら意識せずに生きてきた人も少なくないでしょう。
 人の数だけ物語がある。なんてよく聞く話だけれど、それはその通りなんだ、と改めて思わせてくれます。

 少しずつ互いのことを知るにつれ、ここは正反対で、ここはどこか似ていて。
 でも全く違う人生を歩んできた二人だからこそ、分かり合えないことを分かり合おうとしたり、共感できることをもっと深めていったり。

 時には挫折や絶望を味わって、色のない世界が訪れたとしても、それでも夢見た先の景色はきっと綺麗で。

 それは多分、一人では乗り越えられなかったことで、支えてくれる、話を聞いてくれる誰かがいるからまた頑張れて。

 そんな誰にでも起こり得るような平凡な人生を、他の誰でもない彼らにしか送れない特別な人生を描いた物語です。

★★ Very Good!!

 三宅との出会いを通してなつみかんが成長していき、最後、普通であれば絶望してもおかしくないような状況でそれでも夢に近づこうとする彼女がとても素敵でした。あんなにメンヘラだったのに……。
 音楽やキャス、大学など、決して劇的ではない日常なのですが、その中の物語や尊さのようなものが描かれていて、読んでいる間は静かなドキドキとワクワクでたくさんでした。
 次回作も期待しています。

★★★ Excellent!!!

 この物語に私は、愛しいという感情と、恋しいという感情を覚えました。甘ったるい恋愛ではなく、互いの信頼関係を築いた上で展開する物語が、現実のカップルもこうあってほしいと度々、感じさせられる話でした。

 登場人物は失敗と衝突を繰り返します。

 嫉妬、安易なアドバイス、凹む事、思いがけず傷つけてしまう事…相手に好きだと伝えているシーンよりも、恐らく、そんなシーンの方が多い気がします。

 しかし、その全てを登場人物は謝り、それを許し合う関係になっています。

 何事も許し合えるからこそ友達であり、恋人である、と感じさせる展開が、本当に宝石のように美しい関係に映ります。

 見方によっては、同じような事ばかりを繰り返すという意見もあるかも知れませんが、たった一度しか失敗しない人は少数ですし、たった一度しか許せない人は狭量というものだと、私は思います。

 だからこそ、衝突を繰り返す彼らを、愛おしい存在だと思いますし、許し合える日々を恋しいと思います。

 また現実でも、楽しい事を後から思い出すと哀愁となり、苦しいけれど努力できた事を思い出すと誇りになりませんか?

 この物語のゴールに、誇りにできる想いが残る事を期待してしまいます。