2.LINEノベルの注目ポイント

 で、この「LINEノベル」なんですが、注目すべきポイントが二つほどあります。


 ひとつめは「商業作品の掲載」。これがどれくらい無料で、どれほどのものが読めるのかについては今後作品が出てこないことには分からないのですが、取り組みの質自体は結構良いんじゃないかなぁって思います。


 これが何をやっているのかというと「既に売られている作品(大体は人気作)」や「人気作家の新作」を「数を読むことで無料で読んでいける」という事。その「読むだけ無料」のペースがどれくらいになっているのかによって大分受ける印象は変わってきますが、作品をデジタルデータとして、サイトで読む分には無料になるよというのは凄く良いんじゃないかなって思いますね。

 

 これまでだと創作物、例えば小説を読むためにはやっぱり書籍を買うっていうのが大前提で、それ以外の手段は無かった訳だけど、今の時代は例えばネットのサイトに掲載して読んでもらうっていう事が普通に出来るようになっている訳で、そんな中で、作品を単純に、サイト(或いはアプリ)で読む上では無料だよ、というのは時代に合っているんじゃないかと思いますね。まあこのチケットが全然手に入らないとかなってくると何の意味も無いんですけどね。実質あってないような物にするのが一番ですかね。


 ふたつめは「作家が良い条件を選びやすいシステムである」という事。具体的には前項「LINEノベルとは何か?」でも触れた、オファーが参加しているすべての出版社に共有される、という所です。


 これはまあ、ちょっとまだ出版社有りきなシステムで個人的には物を申したいところもあるわけですが、オファーを出したことが他の人にも伝わるというシステムは良いと思います。


 これが何でいいかって言うと、例えばPV数が多くて、明らかに人気のある作家でなくとも、可能性のある作家に安値で声をかけた出版社がいたとすると、そのオファー情報が他出版社にも行くわけですから、その作家の価値はそんなもんじゃないって思う出版社がいれば更に好条件を提示して振り向いてもらうことが出来るという訳で、作家側としては結構良いシステムなのかなとは思います。


 ただまあ、こっちにはちょっと問題があって、作家に対するオファーはあくまで参加している出版社にしか共有されないんですよね。勿論、大手は結構参加している(2019年4月17日現在でKADOKAWA、講談社、新潮社、集英社、実業之日本社、スターツ出版、宝島社、東京創元社、文藝春秋が参加)ので、問題ないといえば問題ないのですが、これがもう少し広がっていくといいと思うんですよね。

 

 この辺り難しいかもなぁ……結局批判の的になる「小説家になろう」が強いのってまさにここで、あくまで作者や作品を重視するスタイルなんですよ。これを出版というか会社サイドの儲け(もっと言うと目先の小銭稼ぎ)に主軸が置かれた瞬間に機能しなくなるから、そうなり切らずに、参加出版社は増えていくといいと思うんですけど、多分難しいだろうなぁというのが個人的な読み。それが出来てればこんな斜陽になってないと思うので。


 後もう一つ問題点を挙げるとすれば結局出版社が条件を提示じて、書籍化してっていう流れが変わっていない(それ以外のビジョンが不足している)っていうのも気になるんですが、これに関しては後述します。



【ざっくりポイントまとめ】

・既存の作品を読むのが実質無料となるのが良いポイント。

・ただしチケットのシステムが面倒ならば評価は下がるかも?

・作家が出版社からのオファーを比較して選べるのは◎

・参加している出版社でのみというのは気になる点。

・出版社が声をかけて、書籍化という動き一本槍なのも気になる。

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