29歳の日々

@harunchuu

第1話

19時の定時を終え、晴香は青山の街を歩いていた。


今日もまっすぐ帰るだけ…



2ヶ月前に多忙かつ責任のある正社員での仕事を辞め、派遣社員となった。



毎日定時で終わるし、責任があるような仕事は任されてはいない。

プライベートを充実させたい!と意気込んで退職したものの、今のところ晴香には毎日予定が入ることは無かった。



LINEを開いてみても、公式アカウントからのクーポンやスタンプ配信ばかりが並んでいた。




誰からも連絡がきていないことはわかっている。なぜなら、たった5分前に画面を確認したばかりだからだ。

それでも、ついLINEを確かめてしまう。



思わずため息が漏れる。




画面から視線を前に向けると、ちょうど駅前の横断歩道が青に変わった。

そうしていつものように駅へと向かう階段を下る集団の中へと消えていった。


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