第4話 『元貴族のメロンを拾う』

 

 現在の俺の常時魔力処理領域は【使い魔】であるコンが7%、【監視魔法サテライト】が2%、【収納魔法アイテムボックス】が24%で合計33%。


 残り67%もあるので5%の【魔戦輪リング・スラッシャー】を使ったり10%の【推進力場フォース・ドライブ】を使っても問題ないのだが、この3年で他にも空間魔法や時空魔法で使える魔法の開発が進んでいた。


 例えば龍脈を利用した転移魔法には17%、空間魔法を利用した空間を歪めて複数のレンズを組み合わせた望遠魔法には1%、同じく空間に小さな穴を空けて繋げて三角錐の形状にすることによって遠くの音を一方的に拾う盗聴魔法は2%、極め付けが時空魔法を利用した【意識加速魔法アクセラレーション】が6%だ。


 これらを合計すると74%も魔力処理領域を使う羽目になり、しかもそれは【魔戦輪リング・スラッシャー】が1本分の状態だ。


魔戦輪リング・スラッシャー】の基本戦術は最低4本なので15%が加算されて89%になる。


 流石に余裕がなさ過ぎなので、これらは常時使うもの以外は必要に応じて使っていくことになるだろう。


 え? そんなに魔法を多発して魔力が持つのかって?


 これも3年の研究でわかった――というか気付いたことなのだが、一般の魔法使いは魔力を燃料として【属性変換】しているから魔力を消耗する形になるが、俺は魔力を魔力のまま使用しているので特殊な例外を除けば魔力を循環させて使い回しているということになるので消耗しないのだ。


 例えば【魔戦輪リング・スラッシャー】というのは魔力を体外に出して形を整えたものだが、その場合であっても俺と【魔戦輪リング・スラッシャー】は繋がっているので魔力は消耗しないが、なんらかの事故によって【魔戦輪リング・スラッシャー】が消滅したり霧散したりすれば、その時に始めて俺の魔力は消費することになる。


 その場合、俺の魔力は全体の5%が消耗し、その時点から魔力の自然回復が発生する。


 狙ってやったわけではないが非常に効率の良い魔法の運用方法となっていた。


 え? 攻撃力のある魔法は開発しなかったのかって?


 一応、【魔戦輪リング・スラッシャー】の刃に空間魔法を混ぜて、どんなものでも切断出来るように細工はしてみたんだ。


 これは、もしかして最強の魔法を作ってしまったんじゃないかと思ったのだが――とんだ勘違いでした。


 敵の身体を空間ごと切ってしまうということは、相手に痛みもダメージも与えることなく切り離しただけという結果になってしまったのだ。


 切り離した状態を半永久的に持続出来るというなら兎も角、空間を切った結果だから世界の修正力のようなものによって30秒も経たないうちに元通りになってしまった。


 うん。冗談抜きでなんでも切れたけど、全くダメージを与えられない駄目武器になってしまったよ。






 ともあれ今日から冒険者活動を再開することにしたニコラス君、18歳なのだが……。


「ニコラスさん、あんまり依頼を受けてくれないので後3日で冒険者カードが失効してしまいますよ?」


「ほわっつ!?」


 担当のライラさんに言われて思わず変な声を上げてしまった。


 そりゃ、この3年は魔法の研究に忙しかったので最低限の生活費が賄える程度にしか依頼を受けていなかったが、まさか失効間近まで来ているとは思っていなかった。


 まさかの失業の危機なんですけど!


「な、なんとか御慈悲を! 今職を失ったら色々な意味で困るんですけど!」


「うぅ~ん。それなら、ちょっと難しい依頼ですけど、これを受けてみますか?」


 そう言ってライラさんが差し出してきた依頼書に書いてあったのは、この町の近辺に潜伏しているであろう盗賊退治だった。


「俺って魔物は結構倒してきたけど、人間相手に戦ったことってないんだけど」


「Cランクに上がる為には対人戦は必須の技能ですから、今の内に経験しておいた方が良いと思いますよ」


「……これって討伐したらどうやって証明すれば良いんですか?」


 まさかゴブリンのように耳を切り取って持って来る訳にもいかないだろうし、討伐したという証明方法が不明だ。


「あぁ~……盗賊退治の場合はですねぇ、その……首から上を持ってくると証明になるんです」


「……マジすか?」


 想像していた以上にグロい方法だった。


 首って耳より相当なんですけど。


「ゴブリンなら耳の形で判別が付くから良いんですが、人間の場合は顔が分からないと盗賊かどうか判別が付きませんから。下手に耳とか手にしてしまうと無関係の人間の物を持ってくるということもありえますし」


「……そっすね」


 そっかぁ~。首切りかぁ。


 俺って前世を含めて、まだ人間を殺した経験がないんだけどなぁ。


 既に、この世界に生まれて18年。


 既に日本人的な倫理感は持っていないつもりだが、それでも人間を殺すという行為に対しては忌避感を憶える。


 まぁ、これは人間として正常な感覚なのだろうが恐らく――というか間違いなく俺は出来てしまうだろうということに少しだけ恐怖を感じる。


 元より、前世の頃から俺は人間という生き物がそれほど好きじゃなかった。


 何か劇的なきっかけがあったというわけではないが、それでも俺は人間という生物に対して頭のどこかで好意的になれない部分を感じていた。


 この世の人間全てを滅ぼせとまでは思っていないが、それでもいらない人間は間引いても良いじゃないかと心のどこかで思っているのだ。


「その依頼、受けさせてもらいます」


「……無理はしないでくださいね」


 ライラさんは少し心配そうに言うが、そう思うなら別の依頼を紹介して欲しいというのが本音だった。




 ◇◇◇




 盗賊達のアジトは拍子抜けするくらいあっさりと見つかった。


 そりゃ【監視魔法サテライト】を使って上から索敵出来るのだから簡単に決まっている。


(ふむ。今度【監視魔法サテライト】の映像を繋ぎ合せて【地図魔法マップ】でも作ってみるかねぇ)


 この世界に存在する地図は精細とは言い難い代物なので、【監視魔法サテライト】が上空から観察した地形をコンに記憶させて広範囲の地図を作れれば便利だと思う。


 その地図を魔力で模写して、更に俺の現在地を地図と比較してマーカーで表示出来れば面白い。


 勿論、全ての処理をコンに任せるわけだから、また常時魔力処理領域を圧迫してしまうが――これはあった方が便利な機能だろう。


(飛行魔法、【収納魔法アイテムボックス】、転移魔法、【地図魔法マップ】……欲しい機能を自力で得ていくのは結構楽しいものだな)


 次の魔法の研究に心を躍らせているが――直ぐに盗賊退治に来たことを思い出してテンションをニュートラルに戻す。


 盗賊が持っていた物は全て討伐者の物なので、今回の盗賊が大金を持っていたら暫くは研究に没頭しよう。






 盗賊達のアジトは定番のように崖に出来た洞窟を改造したものだった。


 一応、洞窟の入口には扉が設置されているが、周囲には篝火が焚かれて本当に隠れる気があるのかは至極疑問だ。


 見張りも2人ほど入口の傍に立っているが、欠伸を繰り返しているのでやる気があるようには見えない。


「「っ!」」


 だから遠慮する必要があるわけもなく、俺は遠距離から【魔戦輪リング・スラッシャー】を飛ばして正確に見張り2人の――首を飛ばした。


「……やっぱりな」


 心構えはしていたが想像していたよりも動揺が少ない。


 遠距離攻撃だからというのもあるが、それ以上に俺は盗賊に対して魔物程度の価値観しか感じていなかった。


 このままアジトの中に入って制圧――といきたいところなのだが……。


(閉所だと【監視魔法サテライト】が機能しないから苦手なんだよなぁ)


 屋外であれば【監視魔法サテライト】で上空から監視して有利にことが運べるが、閉所に入ってしまうと俺の有利性は著しく落ちてしまう。


 こんなことなら見張りに騒がせて外に誘き出した方が良かったかもしれない。


 まぁ、やってしまったものは仕方ないし、今回はスニークミッションでいくか。


「…………」


 いや、盗賊は全滅させる予定なので、どっちかというと暗殺任務の方が正しい気がするけど。






 こっそりとアジトの中に入り、音を立てないように移動して――見かけた盗賊は片っ端から【魔戦輪リング・スラッシャー】で首刈りしていく。


(盗賊を狩るだけの簡単なお仕事です)


 心の中で、そんな軽口を叩きながら刈った首を【収納魔法アイテムボックス】に入れて進む。


 余り気分の良いものではないが、それでも素手で首を持ち歩くよりはマシだ。


 それに【収納魔法アイテムボックス】は種類別に区分けされているので、首の血で他の荷物が汚れる心配はない。


 まぁ、管理しているのはコンなので少し申し訳ないと思うが。


 それにしても盗賊の数が思っていた以上に多い。


 多くても10人かそこらだと思っていたのだが、もう20人以上の首が【収納魔法アイテムボックス】に入っている。


 そうして洞窟の奥まで来たところで少しだけ豪華な扉が設置されており、その中から男の笑い声と――くぐもった女の声が聞こえてきた。


(あ~……これはあれか)


 前のゴブリンの集落といい、今回の盗賊といい、どうして俺はこういう場面に出くわしてしまうのだろうか。


 嘆息しつつ、俺は【魔戦輪リング・スラッシャー】で扉を切り裂いて室内に乗り込み……。


「なんだ、てめぇっ……!」


 その場にいた数人の盗賊を問答無用で【魔戦輪リング・スラッシャー】で攻撃した。


 最初に首を刈ったのは一番大柄で、盗賊達の親分だと思われる大男。


 他にも3人程いたが、例外なく【魔戦輪リング・スラッシャー】で首を刈って終わった。


(コン、周辺警戒)


《イエス、マスター》


 気休めだが天井付近に【監視魔法サテライト】を浮かべてコンに不意打ち防止の警戒を命令しておく。


 そうして俺が視線を向けたのは――色々な意味でドロドロになった全裸の女だった。


 なんというか、まぁ――盗賊達に輪姦され尽くされた女がグッタリと横たわっていたのだ。


 恐らく、何処からか浚われてきて女で、どのくらい前なのか知らないが盗賊達に延々と犯され続けていたのだろう。


 一応、呼吸はしているが目から完全に光が消えており、ピクピクと身体を痙攣させていることが唯一の生きている証拠だった。


「……勘弁してくれ」


 俺は深く嘆息しつつ、女の体を綺麗にするために【収納魔法アイテムボックス】に入れてあった水と布を出すのだった。






 女の体を可能な限り綺麗にし、複数の打撲箇所と身体の衰弱に対応して手持ちのポーションを飲ませることにした。


「これ、結構高かったんだけどなぁ」


 どういう原理で作られているのか知らないが、飲ませたり身体に掛けるだけで傷や疲労が回復する魔法の薬だ。


 1本買うのに大銀貨3枚もした、とっておきの代物だ。


 日本円に換算して30万円以上だ。


「さてと」


 名前も知らない女の呼吸が少しだけ落ち着いたので身体を毛布に包んで休ませてから俺は部屋の中を物色することにした。


 随分と規模の大きな盗賊団だったみたいだし、使ってしまったポーション代くらいは稼がせてもらわないと割に合わない。






 探すまでもなく価値のありそうな物は全て倉庫と思わしき場所に詰め込まれていた。


「ほぉ」


 金は一箇所に詰め込まれており、大半が銀貨や銅貨だったが金貨も何枚か見つかった。


 結構な量があるので全てを両替出来れば金貨十数枚分はあるだろう。


 他には宝石やら武器防具、アクセサリーなども詰め込まれていた。


 どのくらいの価値になるか分からないが全て売れればひょっとしたら白金貨にも届くかもしれない。


 あくまで全て売れれば、の話だけど。






 それから俺は金目のものと盗賊の首を全て【収納魔法アイテムボックス】に入れて、更に助けた女を毛布に包んだまま町に帰ることにした。


「ニコラスさん、またですか?」


「……またですね」


 別に俺のせいじゃないが、受付でライラさんに報告したら呆れたように言われてしまった。


 そりゃ、大きな討伐の度に女を助けている気がするが、それは不可抗力であって俺のせいじゃない。


 とりあえず彼女を冒険者ギルドの治療室へと運び、その後でしかるべきところに盗賊の首を届けた。


 その際に担当者に【収納魔法アイテムボックス】の存在を知られてしまったが、ギルド職員には冒険者の秘密を守る義務があるので噂が広まったら訴えてやると言っておいた。


 あ。盗賊の首を提出した相手はライラさんではないのであしからず。


「また随分と大量だな。これだけいれば賞金首も1つや2つあるだろうから詳細報告を後で届ける」


「……よろしく」


 思ったより質実剛健な職員だったので脅しは必要なかったかもしれない。




 ◇◇◇




 後日、俺が提出した盗賊の首の中に3人ほど賞金首がいたらしく、金貨12枚を受け取ることになった。


 それ以外にも盗賊のアジトで見つけた金銭を数えた結果、金貨13枚になったし、お宝はギルドに売却申請中だが金貨20枚近くいくかもしれないと言われている。


 これで一気に金が溜まったわけだが……。


「助けて頂いたこと、誠に感謝しております」


「…………」


 以前のゴブリンの集落の時と違って、今回助けた女は精神崩壊までいっていなかったのか俺に礼を言いに現れた。


 少々面倒だが詳しく話を聞くと、彼女はアイーシャ=リム=カルカロスという名前で、カルカロス伯爵家に嫁いだカルカロス夫人だった。


 カルカロス一家が馬車で移動中に盗賊の襲撃を受け、護衛諸共夫も殺されて、彼女は5歳になったばかりの息子共々捕らえられてしまったらしい。


(貴族かよ)


 想像以上に面倒臭そうなことになりそうでゲンナリする。


 で。彼女――アイーシャは息子であるカルロス少年を盾に取られて盗賊の言いなりになって延々と慰み者になっていたのだが、途中から体力と気力が尽き果てて意識が朦朧としていたのでカルロス少年がどうなったのか分からないらしい。


「その……厚かましいお願いだというのは分かっていますが、何かカルロスの手掛かりなどはお持ちではありませんか?」


「少なくとも盗賊のアジトにそれっぽい少年はいなかった……です」


 とりあえず相手が貴族なので申し訳程度には敬語を追加しておいた。


「畏まらないでください。夫が亡くなった以上、もう伯爵家の存続はわたくしの手を離れてしまいましたし、実家も……盗賊に陵辱されたような女はいらないでしょうから。もう貴族としてのわたくしは死んだも同然ですわ」


「……そうかい」


 アイーシャに同情しないでもないが、俺が彼女に同情したところで何が変わるわけでもない。


「それで、カルロスはカルカロス伯爵家の紋章のついた短剣を所持していたのですが、それも見当たりませんでしたか?」


「見つかった物は全てギルドに提出してしまったので、そういうのはギルドに聞いた方が早いと思うが」


「冒険者ギルドの方へは……既に問い合わせた後ですので」


「……そっか」


 アジトでギルドに提出した物以外を俺が確保しているのではないかと聞きに来たというのが本音だったようだ。


「残念ながら、それらしい短剣は見ていない。そもそも金以外の物は本当に全てギルドに提出してしまったからな」


「そう……ですか」


 息子の手掛かりを得られなかったアイーシャがガッカリしていたが、理不尽に俺を責めるような顔はしていなかった。


 まぁ、ここで命の恩人である俺を責めるような奴なら、こちらとしても色々と手を考えていたけどな。


「そ、それで、その……実は、お願いが……ありまして」


「ん?」


 だが、今までの話は本題ではなかったようでアイーシャは急にオドオドした態度になって俺を上目遣いで哀願するような視線を向けてきた。


「先程もお話しましたが……カルカロス伯爵家との関係も切れて、実家にも帰れなくなってしまいましたので……」


「……大変だな」


「は、はい。今まで貴族として育ち、貴族として暮らしてきましたから……無一文で放り出された現状、どうして良いのかわからなくて」


「…………」


「あ、厚かましいお願いだとは分かっているのですが……」


 どうやらアイーシャは助けた俺に――というより金を潤沢に持っているであろう盗賊退治を成し遂げた冒険者に養ってもらえないか哀願しているらしい。


「散々盗賊に陵辱されたのに、まだ身体を使って男に取り入る気なのか?」


「こんな汚れた女では……お気に召しませんか?」


「…………」


 まぁ、彼女も路頭に迷うかどうかの瀬戸際で必死なのだろうが――少しだけ彼女の容姿に視線を向けてみる。


 恐らく年齢としては20代前半くらいでライラさんと同年代だと思われる。


 身長は160センチくらいで体格は暫く盗賊達にろくな食事も与えられていなかったのか痩せ気味だ。


 その割にスタイルは良く、バストはスイカ――とまではいかないがメロンが入っていると言われても信じてしまいそうなくらい豊満だったし、ウェストは細く、ヒップも相当に豊満だった。


 貴族だけあって顔の方も相当整っているし、髪は金髪で腰までウェーブが掛かって流していて、目の色は蒼く穏やかな雰囲気を感じさせた。


(こりゃ盗賊達がこぞって玩具にしたがるわけだ)


 視点を変えて冷静に見てみれば、彼女はむしゃぶりつきたくなるような美女という言葉がピッタリだった。






 結論から言ってしまえば俺は暫くの間、アイーシャを養うことになってしまった。


 元貴族という柵のある面倒な女ではあるが、相当に見た目は良い女だし、放り出して別の男に持っていかれるのは勿体ない。


 とは言っても俺は基本的に宿暮らしなので、今まで1人部屋だったのを2人部屋に移って生活出来るようなるまでの間、身体を対価に援助するというだけだ。


 アイーシャ自身も俺を恋人や夫にする気はないようで、昼間は働き先を探して頑張るそうだ。


 貴族だった割に意外と根性があるというか、なんというか。


「まぁ、カルカロス伯爵家と言えば、貧乏で有名な貴族でしたからねぇ」


「……そうなの?」


 ライラさんによればカルカロス伯爵家は、この辺境の地を治めるべく新しく立ち上げられた貴族家だが、万年金欠状態で領地の経営も行き届かない貧乏貴族の代名詞だったそうだ。


 そんなところに嫁いできてしまったアイーシャは、それはそれは苦労してきたらしい。


 結果として盗賊に陵辱された後でも生きる気力を失わない逞しさを手に入れたし、無一文で放り出されても生にしがみ付く強かさを手に入れたようだが――確かに貴族っぽくはないわな。


(盗賊相手に散々陵辱された割には具合は良かったけど)


 昨夜お相手してくれたアイーシャは、この町の商売女よりは何倍も魅力的だった。


 俺が金をケチって安い女を買っていたというのを差し引いても、なかなか極上の女を手に入れたものだと思う。


「昨夜はお楽しみだったみたいですね」


「……ナンノコトヤラ」


 以前に空間魔法を使えるようになったら嫁になるとか言っていた人が何かを言っていたが、残念ながら彼女に空間魔法を使えることを暴露する気はないのだ。


(ライラさんも美人だけど、一旦食いつかれたら死ぬまで離さないような雰囲気があるんだよねぇ)


 美人の嫁は歓迎だが、ギルド職員という肩書きが曲者だ。


 俺が使えると分かったら身体で繋ぎ止めて、色々な意味で扱き使われそうなんだよ。


 そういう意味では気軽に抱けるアイーシャを拾ったのはラッキーだったかもしれない。




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