Instinct
LastCalling 名前
「あーよっこらしょ。ようやく帰ってきたぜ」
はーあ、面倒くさい仕事だったなぁ。退屈極まりねぇもん。ま、とにかく終わった終わった。今からはちょいとお楽しみタイム、なんせLと戦えるってんだからな。
今回は地上ゲートからの帰還って事もあるんでそのままトレーニングルームへGO。カイトから聞いた通りならそこにいるはずだ。
「楽しみだねぇ」
と、鼻歌混じりに歩いてたらトレーニングルームに着いた着いた。
さあて……
――ピピッ、ガシャン。
「よぉ、L。張り切ってんなぁ」
そう声をかけた視線の先には待ってましたと言わんばかりの目をしたL。よしよし、そうだ、それでいい。
「……はぁっ!」
――バシンッ!
「おいおい、駆け付け一杯ならぬ駆け付け一発か?」
Lの不意の一撃を片手で受け止め、そう言う。あーこりゃ参った。ちょっと焦らし過ぎたかもしれん。Lの身体が小刻みに震えてやがるのがいい証拠だ。
「……K、待ちわびたぞ。早く、早くやろう。もう私は!」
「あー、分かった分かった。私も楽しみにしてたさ。やっぱり離れねぇんだよ、あの夜の戦いが頭から、さ」
「なら!」
「まぁでもちょっと待て。お前さんにプレゼントがあるんだ。それを受け取ってからにしてくれよ」
「プレゼント?」
「ああ、先ずは……」
それからトレーニングルームの武器格納庫に番号を入れる。普段は武器を入れとく場所だがこれを見越してカイトにある物を入れといて貰った。
「一つはこれだ」
「まさかこれは!」
「ああ、そうさ。お前達のコアだ。濃縮して一つにしたがな」
「これが私の……」
Lがゆっくりとコアに手を触れる。飴玉程の小さなそれには確かにアイツらのコアが詰まってるんだよな。
「それを食え。そうすりゃ色々分かる筈さ。私だってアイツらから聞いたことは多いが私の口から言うより直接取り込んだ方が早いだろ?」
「……そうする。すまないな」
「気にすんなって」
ゴクリ、とLがコアを飲み込む。一瞬呆けた顔になったLの首に私はすかさず噛み付く。
「! K、何を!」
「
「なっ! そんなものまでっ!」
首筋からLに血を流し込む。浄化の過程で入れるかドクトルと話したがコレの方が良いってなったんでこうだ。
「ぷはぁ。大分と減っちまったがな。それでもコイツはお前に渡さにゃならんのでな」
「……すまない。本当にありがとう」
「それでお前も幾分かは分かるだろうさ、アイツらの事がよ。さーて、最後のプレゼントだが」
「まだ、あるのか?」
「これは私とカイトからのだ。お前さんに名前をプレゼントしたいってカイトが言ったんだよ」
最後は名前だ。いつまでもL呼ばわりは味気ない。私もKだけの時が長かったがいざカイトに名前を貰ってからは名前に特別感を覚える様になった。
Lは特別だ。だから名前をくれてやる。
「名前、か」
「いらん、とは言わせんぞ? カイトが贈りたいって言ったんだからな。嫌でも受け取れよ」
「分かった。それで、名は?」
「『
「ルナ、私の名……」
「どうだ? 気に入ったか?」
「ああ、良い名だ。ありがとう、K……いやケイトよ」
「よし、んじゃプレゼントは終わり。それじゃあいっちょやりますか!」
「ああ!」
声と共に拳を突き出す。
これからが本番さ!
――私はK、KATEのK。
――私はL、LUNAのL。
――本能が今、ぶつかる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます