BATTLE6

――あれからどれだけ殴り合っただろうか。



――どれだけ蹴りを交わしただろうか。



――どれだけ頭をカチ合わせただろうか。



――どれだけ血反吐を吐きあっただろうか。


 時間的な感覚はもう無い。

 あるのは確かな痛みと快感。

 嗚呼、紛れもなくLは……


「なぁ、Lよ」

「……何だ?」

「私らはどんだけ戦った?」

「さぁ、知らない。でもまだ……」

「言うなよ。私もまだ戦いたいさ」

 赤白の血溜まりの中、大の字に寝っ転がってLと話す。月明かりが私らを照らしてる。

「戦いたいが指一本動かせない」

「同感だ、私も動かせん。あーあ、お前さんがもうちょい早く本能喰ってくれりゃあな」

「……すまない」

「冗談だよ、早い方だと思うぜ。後3日はかかるって踏んでたからな」

「……」

「あー、しっかし何だ、こうも疲れると流石に眠たいな。ふぁーあ」

 眠い眠い。暴れに暴れたんだもんなぁ。

「敵地というのに全く……」

「はは、それをお前が言うかよ。大丈夫さ、そのへんはオペレーターとカイト、それにヴェインが上手くやってくれてるだろうしな」

 そ、こんな事して研究所が何も介入してこない筈がない。だがオペレーターとカイトに上手いことやってもらえた様だ。ヴェインの方もイケたらしい。

 後でカイトにはたっぷりお礼しなきゃな!

 あー、オペレーターは……仕方ねぇ、土産話でもしてやるか。

 ヴェインは……どうすっかなぁ。


「今は寝ようぜ、L。次に起きたらお前は立派な化物さ」

「ああ、そうだな。ありがとう、K」

「よせやい、こっ恥ずかしいわ」

「そうだ、失敗作達の事は……」

「あー、起きたら話すわ」

「そうか。おやすみ」

「おう、おやすみ」


 暴れた後にカーッと寝る! あーもうこれだけでも最高だなぁ……


――

――――

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