Calling17 手合

<ターゲット 100 開始シマス>

 無機質なアナウンスとともにターゲットがポコポコと出現する。

「まっさかLも来てるとはなぁ」

『あれがL……ケイトそっくりですね』

 奴は気づいてるのかそれとも気づいてないのかアナウンスが流れた瞬間からターゲットに鉛弾ブチ込んでる。

 上から見おろすだけじゃつまらんし下行って間近で見てみっか。


――ダダン! ダダン! ダァン!

――ガチャン……ドン! ドン! ドン!

 …………

 ……


「お見事~全弾ヒットだ」

 ひとしきりの銃声の後、拍手も交えてLに声をかける。

 見た感じじゃあ随分の腕前だ。

「これくらいは当然の事。貴女にだって分かるはず」

「んまぁそりゃそうだけどさ。褒めてんだから多少は喜ばんかね」

「こんなもの歓喜に値しない」

 クールっていうか無機質っていうかなんつーか。まぁこれはこれで面白いからいいんだけどさ。

 そうだ、カイトにも聞いてみよう。

「なぁカイト? このLってのどう思う?」

『えっ、うーんそうですねえ……』

「……その少年は何者?」

 おっと? Lが食いついた。

『あ、自己紹介が先ですね。僕はカイト、ケイトのサポート役です。貴女は本当にケイトそっくりです』

「ケイトとは?」

「あーそりゃ私の事だ。カイトが私にくれた名前さ。なかなか良いだろ?」

「……我々に名など不要なのでは」

「不要だからって付けない使わないの理由にはならんだろ。んな事いったらビール飲めなくなるじゃねぇか」

「……」

 そ、生きるだけならビールは不要だ。でも不要だからって飲まない訳がねぇ。チョコレートも肴もおんなじさ。

 不要とか無用とか無駄で溢れてんだよなぁ、私らの周りには。

 ……自慢じゃないが私の身体は無駄な山も森も無いんだぜ。髪も今はミドルないかそれくらいだしな。

『言い方とかは違いますけどケイトもLさんも同じ様な気がしますね。ただLさんの方が堅いってだけの違いかもしれません』

「それはどういう?」

「どういうこった?」

 げ、カブった。完全にカブった。

『あはは、そういうことですよ。僕はあまりLさんの事は知りませんがケイトの事はよく知ってるつもりなので……』

「ん? なんか言いたげだな?」

『ふふふ、二人は今こう思っているはずです』

 カイトにゃ珍しくもったいつける言い方だ。何を……


『手合わせしたい、そう思ってませんか?』


「!!」

「!!」


『図星でしょう? それが証拠に同じ顔してますもん』


 カイトに言われて顔を見合わせた。確かに鏡らしい。


「どうだL、やるか?」

「効率的ではあるでしょう。やる価値はあると思いますので」

「んじゃ、やるか! お前の持ってる銃一丁貸してくれ」

「どうぞ」


――ピピッ、<ターゲット 100 開始シマス>


 よし、まずは射撃精度の手合わせから行こうかな!

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