Calling14 連絡
「ぷはー、やっぱビールは美味い!」
なかなかのビールだ。部屋もそこそこ広いしまぁいいだろう。殺風景極まりないがな。
「んー、しっかしあの無重力ベッドのせいで身体
さっき広めのトレーニングルーム拝借して身体動かしたが何とも100%ではなさそうなのが腹立つ。私も堕ちたか? いや、そうでもないか。
研究所の奴ら私の動き見てビビってたし、あわよくば捕まえようとしてた奴らもスッこんだからなぁ。
「あの分だと多分『L』って奴は……」
少なくとも私を参考にして私そっくりに作ってあるんだ、あれくらいの事はできるだろうがそれでも飼いならされて? いるという事はつまり……
「あー考えても仕方ねぇ。全力で殴り合ってみりゃわからぁな。おっとそうだアレだアレ、忘れたら大変だ」
この部屋に来る前、この研究所の通信設備がてんやわんやしてて何事かと思ったら凄まじいハッキングが来ててそれの正体がカイトの仕業だってんだから驚いた。
――一時間前
『なんて侵攻速度だ!』
『いきなり何だってんだよ!』
『予兆も何もなしにいきなりこのメインシステムにまで……』
『第四壁、突破されました! 残りも時間の問題です!』
『くっ、新しく生成してもすぐに突破してくるなんて!』
んー? なんか騒がしいな。誰かさんが変なサイト見てウイルスでも入ったか?
「おい、おっさん。こりゃなんだ?」
バタバタしてるとこ悪いが気になるんでお偉いさんみてぇな奴に声かける。
「な、何者かがこの研究所に……ってうわあああ! け、K! 何故ここに!」
「お、落ち着いてくれ指揮主任、大丈夫だ。詳しくは後で説明するが。しかしこれは一体?」
「つい先程から突然メインシステムにハッキングがかかりその対応に手一杯の状態でして……」
「何だと!?」
「なんともお粗末だなー」
しっかしさっきからって事は私が丁度起きたあたりだ。なーんかあるぞ。まさか……
「指揮主任! 相手側からメッセージが……」
「何!?」
「モニター出ます!」
<<オネエサン ヲ K ヲ カエセ>>
<<イバショ ハ ワカッテイル>>
<<スミヤカニ K ヲ カイホウ シロ>>
「あーやっぱりかぁ。可哀そうな事しちまったなぁ」
「K、誰からのメッセージか知っているのか?」
「ああ、ちょっとどいてろ。おいそこの姉ちゃん、無線貸してくれ」
「ひっ! ど、どうぞ……」
なにもそこまでビビんなくてもいいだろうが。まぁとにかく連絡してやんねぇとな。
「周波数合わせってっと。もしもーし、カイトー? 聞こえてるかー?」
『……その声は! おねえさん、無事だったんですね! 良かったぁ』
「当たり前だ。ちぃっとばかし寝すぎちまって連絡できなかったんだよ。ごめんな」
『いえ、無事ならそれでいいんです!』
「ここは邪魔が多いし後で掛けなおすけどそれでもいいか? 詳しくはそこで話すからさ」
『はい! 待ってますね、ケイト!』
ふー、へそ曲げてなくて良かったぜ。あの様子だとヴェインも大丈夫そうだな。さてさて部屋に案内してもらうか。
「おい、研究部長さんよ、さっさと案内してくれ」
「あ、ああ……」
全員ポカンとしてくれちゃってまぁ、これでもメインシステムの管理者共かね。
カイトとオペレーターならこうはならんぞ?
――そして今
「よーし、連絡連絡〜」
今回は映像付きの通信だぜ!
『もー、待ちくたびれましたよ〜』
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