Calling2 至福

――ザバァ!

「あー! ようやく帰れたわー」

 組織の地下にある秘密の出撃ゲートに素潜りから浮き上がる。ここは少し遠くの海から繋がってるんだが帰り際に万が一でも居場所がバレたら面倒くさいんでこんな形になってる。

 人間なら潜水艦でも使うだろうが私なら素潜りで大丈夫なのさ。

「それにしても磯臭ぇ。シャワーシャワーっと……お、カイト。お迎えに来てくれたか」

「はーい! お風呂の準備はできてます。タオルどうぞー」

「サンキューな」

 うーん、やはりカイトは凄い。気が利きすぎてて可愛い。


 よし、ちょっと早いがサービス、サービス!

「そんじゃ、で入りますかぁ」

「え、あ、ええ!?」

「んー、駄目か? 仕事終わりだし一緒に入りたかったんだがなぁ……」

「あー……うー……分かりました、一緒に入ります」

 あ"あ"あ"あ"! 可愛い! ヤバい! ちょっと赤くなってんのが最高に可愛い!! 仕事のカッたるさが一撃で吹き飛ぶわ……

 カイトも前は断固拒否してたんだが最近はたまにだが一緒に入ってくれる様になったんだよ。うへへ、嬉しいぜ!

「ではではお風呂へレッツゴー!」

「あうう……」

 出撃ゲートの一角に作った、というより上の連中に作らせた広めのシャワールームでお楽しみお楽しみ!

 あ、中でナニしてるかはオペレーターにもヴェインにも教えてないぞ。

 秘密だ秘密。


――


「そう言えばヴェインさんが後でケイトと手合わせしたいって言ってましたよ」

「マジか。って事は何か新しい技でも閃いたのかねぇ」

 シャワー浴びてる途中、ヴェインの話が出た。アイツ、最近腕上げてるんだよなー。流石だぜ。

「だと思いますよ。ケイトが仕事中にトレーニングルームで素振りしてましたから」

「ほー、そりゃ楽しみだ。っと、カイトこっち来いよー洗ってやるからさ」

「うー、ケイト、洗い方が少しイヤらしくないですか?」

「えっ、いや、そんな事は……」

 泡風呂に浸かってブクブク言うカイトに痛いところを突かれた。いや、そりゃだって触りたくなるんだから仕方ないだろ。

 くっ、こんな時は!

「カイトが来ないならこっちから行くぜ!」

「わわわ! 抱き上げないで下さい〜!」

「へへへ、逃がさんぞー」

「はわわわ」

「良いではないか、良いではないか〜」

「古臭い時代劇みたいなセリフはやめて下さい〜!」

 こんなやり取りしてるあたり、カイトも満更でもない筈だ。もっとこっちからジワジワ攻めれば多分落ちる。いや、落とす。てか半分落ちてる。



 じっくり堪能!



「あうう、ケイト……そ、そこは……」

「へへへ、カイトはここ弱いもんなぁ」





 カイト相手に「誘引」は使わないし、使う必要もない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る