今年もメロンがやってきたー天からの贈り物ー

「あ〜あ、天からメロンが降ってこないかなぁ」

「誰か間違って、うちにメロン送ってこないかなぁ」


ある夏、私が(聞こえるように)何度も呟いていたら、しばらくしてM夫くんがお高いメロンを箱で持ち帰ってきた。

てっきり、職場でお中元でも分け合ってきたのかと思ったのだけど、なんと、自分のお小遣いで買ってきたと言うじゃあ、ありませんか。


えらい、えら過ぎる、M夫くん!


それ以来、毎夏、M夫くんはメロンを入手しようとしてくれる。買ってくるか、産地まで買いに連れて行ってくれるか。しかも、私がよその人へのご進物分も買うつもりだった時以外は、M夫くんがポケットから出資してくれてる。


思えば、私が好きだと言ったお菓子は、出張に行けば必ず買ってきてくれるし、そろそろ同じ物じゃ飽きたでしょというタイミングで、別な物なら何がいいか訊いてくれるし、ネタが尽きてくると「今まで買ったことのないお菓子」を見繕って選んできてくれる。ちゃんと、私が○○系が好きというのを覚えて、なるべくそれに添ったチョイスをしてくれる。


私は、買ってきてくれることそれ自体ももちろんものすごくうれしいのだけど、空港や駅でキャリーバッグを引きずりながら、”あれこれ検討しつつ一生懸命選んでくれてるM夫くん”の姿を想像するのが好きだ。それだけで胸が熱くなる。


それなのに一方の私は、結婚してからあまり贈り物をしていない。

というか、最初は、ことあるごとにいろいろ——プレゼント、お祝いカード、お祝いのごちそうを作るなど——贈っていた。

でも、カード類については、M夫くん曰く「こういうの、どう扱っていいかわからない」とのことだったし、プレゼントはM夫くんのこだわりが強くて、私がビミョーにはずすことが多くてあまり役に立たず、ごちそうは食べてくれるものの「大変だろうから作らなくていい」となる。

というわけで、ここぞのイベントはがんばるけど、ふだんは「気持ちでの表現」を心がけることにした。


私もM夫くんが元気で働いてくれるだけで十分ではあるものの、その稼ぎの中から私にサービスしてくれるというのなら、その恩恵にあずかるのは全然やぶさかでない。小躍りしながら受け取る。


そういえば最近、「天から高級牛肉降ってこないかな」と思ったりしてるんだけど、そろそろ念仏唱えてみようかな。


M夫くんメモ:

M夫くんは「贈り物受け取り下手」だ。

でもそれも、不器用で正直過ぎるがゆえのことだろうから、むしろかわいいなぁと思う。

ただ困るのは、贈り物がぴったりハマってうれしかった場合でもリアクション下手でうれしそうに見えないのか、外していてもうれしいふりができない社交辞令下手なのかの区別が難しいことだ。

ここは割り切って、何かプレゼントする際は、リクエスト制の導入を検討してみてもよいかもしれないと思う今日このごろ。

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