トルコ青釉

作者 如月ふあ

「青色」と言っても、一色ではないのだから。

  • ★★★ Excellent!!!

 主人公は一人、陶芸教室の机の上で悶々としていた。思った通りの青色が出ないからだ。色見本には、ちゃんと従って釉をのせているのに、何故?
 悶々としたまま、主人公は「古民家カフェ・櫻」に向かう。コーヒーを飲みながら、店主と共に謎解きだ。宇宙の神秘にも似た陶芸の世界。だから店主いわく「謎は謎のまま」であるほうが望ましいのだという。しかし主人公は納得いかない。
 釉薬の手触り、粘度、色見本の番号、釉薬。
 思い返しながら考える主人公は、ふとしたきっかけで答えにたどり着く。
 果たして、色見本通りに色が出なかった理由とは?

 陶芸に触れたのは高校時代が最後だったので、とても懐かしく拝読させていただきました。作者様は様々な質の高い作品で知られていますが、今作も知識の幅の広さが際立っています。陶芸の窯にも、釉薬にも、そんなに種類があるのだと驚きました。そして、「謎解き」のふとしたきっかけで解ける瞬間など、情景が豊かで、目に浮かぶようでした。

 是非、御一読下さい。
 

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