PM1:13

「では、他の魔術書に関してですが。一般人が保有している魔術書のほとんどは、禁書を始めとした力ある、あるいは由緒正しき魔術書のレプリカ……偽物です」

「……って事は、世界にはネクロノキコンだとかネクロノミコン? だとかを持っている人がたくさんいるって事ですか?」

「そういう事ですね。ちなみに、私が持っている魔術書はレメゲトンのレプリカ、レメゲトソです」


 ……文句があるわけじゃないが、レプリカだろうが偽物だろうが、もう少しネーミングセンスをちゃんとして欲しい気がする。字面だと似てるんだろうが、発音したら違和感が半端ない。


「本来なら、有力な魔術書を列挙して解説していきたいのですが……残念ながら、もうそろそろ時間です」

「時間って……あ、確かにもう昼休憩が終わるな」


 昼休憩が終わるのは1時20分。屋上から教室に戻るだけで数分は掛かるし、もうそろそろ切り上げた方がいいだろう。


「という事で、今日はこの辺りで。いかがでしたでしょうか? 三崎君」

「ああ、勉強になった。ありがとな」

「ふふ、どういたしまして」


 気が付けば、先生はいつの間にか生徒会長に戻っていた。おかしいな、メガネと教鞭はそのままなのに。


 あの2つのアイテムで先生になってたと思ったんだが、違ったんだろうか。世の中は不思議な事でいっぱいだな。


 

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