PM1:09
いや、禁書だけじゃない。この際だから、魔術書についても詳しく知っておきたい。もう死ぬのは御免だし。
「なぁ生徒会長。よければ、魔術書について教えてくれないか?」
「魔術書について……ですか? けれど、私も一般教養以上の知識は持ち合わせていないのですが」
一般教養の定義をぜひとも教えてもらいたいもんだ。少なくとも俺は、何一つ知らないんだから。俺は重箱に箸を伸ばしながら笑った。
「出来の悪い生徒なんでな。この際だから、一般教養を学び直す意味でも成績優秀な生徒会長の教えを請いたい、そう思ったわけだ」
変に怪しまれても困るので、道化を演じてみる。実際、俺は〝今の〟世界について無知すぎるしな。
この機会に乗じて、色々聞きだしてみるのもアリかもしれない。生徒会長を利用してる感じがして、ちょっと複雑だけど。
「……それは、今朝の非礼に対するお詫びの一環、という事でしょうか?」
考え込みながら言う生徒会長。そんな意味合いで言ったつもりはなかったんだけど、その方が本人にとっては納得しやすいのかな?
「あぁ、そう思ってもらっていい。無理強いするつもりもないけどな」
「いえ、大丈夫です……ふふ、お任せください」
ん? 生徒会長らしくない妖しい笑み……?
イヤな予感がしたその直後、どこから取り出したのか、銀縁のメガネを掛けて教鞭を手に取り、生徒会長は嗤う。
「うっふふふふ! この私が三崎君を完全完璧に導いて差し上げます……さぁ、涙を流して感謝なさい?」
何やってんすか、あんたは。
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