第86話 カモとネギだったのか?

私は1度だけ、

「彼女がいて、その彼女とは別れられないんだけど付き合わない?」


と誘われた事があります。


『はぁ?』

としか言えませんでした。


というか、

私から「付き合ってください」と告白したのなら、まだしも…私はあなたを好きと1度でも言いましたか?という状態。


勿論、即お断りしました。


ただ、私はその彼と初の男友達になれるかも!!と楽しみに思っていたのです。


前にも書きましたが、

私には異性の友人はクラスメイトしかおらず

クラスでは楽しく話せても、学校以外で趣味の話などを語り合える男友達なんて

いなかったのです。


でも、私の女友達には割と男友達がいて、

それはとても楽しそうに見えました。

私は密かに憧れていました。


ちなみに、その二股の誘いをしてきた男の子とは、高校が一緒でそれ以来会っておらず

(私が辞めてしまったので)

6年振りくらいにビデオショップで再会したのです。

お互い大人になっていました。


しかも、その彼は私の映画好きに拍車をかけてくれた映画大好き男子。

私にとって少し思い入れのある人でした。

(恋とかではなく)


元々映画好きになっていたところへ、

彼から『パルプ・フィクション』を教えてもらって、それ以降私はタランティーノの虜になっていたのです。


バイオレンスでしたが、

いい大人がくだらない事を

理屈っぽく話す。

そこがタランティーノ映画の大好きな所でした。

特に『レザボア・ドッグス』や『フロムダスクティルドーン』とか。


その後はタランティーノから離れて

『ユージュアル・サスペクツ』

『トレインスポッティング』『ヴァージン・スーサイズ』などミニシアター系へと

私の趣味は変わるのですが、

その事を話したくて仕方ない!!

(相も変わらず私はそれを求めていたのです。そして何故かたまたま男子の方が詳しい人が多かった。)


ビデオショップで再会したとき、

彼は店員でした。

なので、今度また会おうよという話になったのです。


そして、後日会うことになりました。


まずはあの時教えてもらったタランティーノのことを話す私。


彼も相変わらず映画は好きな様で

ビデオショップで働いているので

観たいだけ観れていると言っていました。


が!その後すぐ冒頭の話になりました。


がっかり。

せっかく再会出来たのに…

その後、二度と会うことはありませんでした。


何故!?

せっかく趣味の合う人が近くにいたのに。

しかも、高校の同級生だったから

そんなに緊張せず会えたのに。


何故、他の友人は

フランクに異性の友人と話せて

仲良くなれるのでしょうか…。


私は初対面だと絵に書いた様な緊張するというのに。

(例えば水をこぼしたり、オーバーアクションになって手をぶつけたり)


結局、そんなこんなで

私に異性の友人が出来る事はありませんでした。


ちなみに、職場は女の子ばかりの化粧品売り場だったので、楽しい思い出は沢山あります。女の子同士大変な事もありましたが

帰りにお茶をして帰ったり、平和でした。


でも、そんな彼女達にも異性の友人は

結構いた様です。


なんで!?

私だけ何が違うのか!?

変に私が意識し過ぎるから!?

出歩かないから出会うきっかけすら

無かったと言えば無かったのですが。


兎にも角にも、

趣味の話が出来れば性別は

関係ない話なのですけどね。


ただ特に、異性の友人というのは

私には縁のない運命の様です。


あ、でも家では今は男性ホルモン過多なので、私はどんどん男に近づいているに違いない。


しかも、歳をとるとおじいちゃんなのか

おばあちゃんなのか判別不明になりやすい。


ひょっとして老後!?

老後になれば異性関係なく友人になれるのでしょうか?

(憧れは消えないもので 笑)



ちなみにですが、私は見た目も中身も

口説きたいぜ〜なんて思われるタイプでは全くありません。ナンパだってされたことは

ありません。


どちらかと言えば、

女の子に「可愛い」と言われることはあっても、そういう子って男子ウケはしませんよね(笑)そんなタイプでした。


だからこそ、久々の再会でのあれは

本当に残念でした。

何故だよ!?って。


浮気願望が膨れすぎて

誰でも良かった時に

まさにカモがネギを背負ってやってきた的なシチュエーションだったのでしょうか。


残念過ぎる…。



こんな感じで、

私の恥ずかしいエピソードと

残念なエピソードは

いつまでも続くのでした。








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