第83話 鳩。

今はすっかりゲーム好きな息子なのですが、

元々は生き物が好きでした。

今も。


毎年の様に夏になると、

カブトムシやクワガタが

我が家にいます。(私は恐怖)


そして、海に行っては

ひたすらカニをとることに明け暮れます。


臆せず岩場に手を突っ込み、

むんずと素手でカニをとっている時の息子が

何気に1番輝いています。


その中でも1番驚いたエピソードがありまして。


それは息子が幼稚園の時のこと。


幼稚園が終わった後も

園庭で遊ぶ子供たち。


母達は日焼けもしたくないので、

日陰にてお喋りをしていました。


すると、どこからともなく

悲鳴が!!


なになになになに!?


よく見ると遠くから息子が私の方に向かって走ってきています。


そして、息子が通る度に悲鳴がおきている。

更に道が出来ている。

(モーゼの十戒みたいに)


なになに!?

怖いんですけど。


よく見ると息子は何かを持っていました。


近づいてきて、それが何か分かった時には

私も悲鳴。


ひゃーー!!

息子が鳩をむんずと両手でつかまえて持ってるーー!!


やめてやめて。

とりあえず鳩を置いて!!

(こんな言葉後にも先にも言ったのはこの時だけ)


息子は素直に鳩を地面に置きました。

せっかく捕まえたのに〜と残念そうに。


いや、わかるけど!

どこかで鳩を見ると捕まえようとしていたので嬉しかっただろうけど!


でも、やめてよ〜。

鳩も捕まらないでよ〜。


それにしても、

鳩なんかよく捕まえられたものです。


少しのろまな鳩だったみたいですが。


やめてよ〜持たないでよ〜。

が私の気持ち。


それ以来、息子が鳩を捕まえた事は

しばらく周りのママパパから

言われました。


特にパパたちは

『鳩捕まえたらしいですね!すごいなぁ!』

と。


ママ達は、ただ笑っていました。



ちなみに、私にも鳩エピソードが実はありまして。(親子で何なんだか)


幼い頃、怪我をした鳩を父と病院へ連れて行き、怪我が治るまでしばらく家でお世話をしていました。


結構可愛がっていた記憶があるのですが、

ある日学校から帰ると鳩はもういませんでした。


母が「怪我が良くなったみたいだから逃がしたよ」と言いました。


えぇーー!!

子供が可愛がっていたのを知っていて

誰もいない時間にそれやる???


ちなみに、我が母は本当にドライな人間で

して、孫と(私の息子)電車に乗って出かけていても、自分の帰り方面の急行電車が来ると

「あっちに乗るわ!じゃあここで!」と

帰って行く様な人なのです。


普通、孫といる時なら

各駅停車で一緒に帰れるなら帰りませんかね?

(方向は同じで、母が住むところは急行が止まるのです)


まぁ、そういう人なので

鳩を放した時も何も考えていなかったのでしょう。


話はズレましたが、

親子で鳩に縁がある私と息子。


そして、親子で平和主義者です。


何か関係ありますかね?


ただ、鳩の恩返しをほんのちょっぴり期待している時点で、心が汚れている私なのでした(笑)




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