第41話 しどろもどろ。

「セックス」

って言葉に出して言うことって

あまりないですよね。


急に刺激的ですみません。

私は普段ほとんど口にしない言葉です。


それを近頃、私はよく耳にしています。


誰からって?

小5の息子からです…はぁ。(溜息)


息子はかなりのシャイボーイ。

なので、

「セックス!セーックス!!」

と叫んでいる訳ではありません。


ただ、

「今日も○○が学校でセックスって言ってたよ。やれやれ」

的な報告をよく息子から受けるのです。


その度に、

息子の口から「セックス」という

言葉が出る。


もはや、

何のためらいも無い言葉になっている…。



ちなみに、

去年息子から

「ねぇ、セックスってなんなの?」

とド直球の質問をされました。


「え!えぇー?!」

と、しどろもどろな私。


そこにゲームに夢中の夫もいたので、

「パパに聞いてみなよ」

とずるい私は夫へと振りました。


すると、夫はそんなことより

目の前のゲームに夢中で

「え?あー、なんていうか…あ!今ヤバイ」

と私とは全く違った形のしどろもどろになりました。

ゲームが優先なので。


というか、

息子からそんな事を聞かれるとは

露ほども思っていなかったのです。


なぜなら、

息子は空気を読むタイプの

どちらかといえば大人っぽい方だと

思っていました。

なので、意味は分からずとも

親に聞くのは違うと勘が働くのでは…

と勝手に思っていたのです。


ものの見事にはずれました。


その後、ちゃんとした答えを探すために

必死で本気のググりをしました。


そして、私の選んだ模範解答は

ある方が書いていた

「大人になった好き同士の男女が一緒のベッドで眠ること」。


直接的な事は、

保健体育が始まってからで

今はまだぼんやりとした答えでいいと

思ったのです。


「大人になった」と「好き同士」

が重要。


でも、しどろもどろ以降の

息子からの質問が無い時に

わざわざ掘り起こすのも嫌だなと思い、

一応、次に聞かれた時用にと心構えをしておきました。


それから半年。

それが今現在。


「昨日もまたセックスとか言ってたよ、あいつ」

とか言ってくるーー!!


しかも、そのあいつは自慢げに言っている様子。

多分、「そんな事言えちゃうオレ、すごくね?」って感じなのでしょう。


男の子って、本当にボス猿争いと同じで

自分を強く見せる事に必死なのです。

どんな形であれ。

中学の時、わざわざ下ネタを言う男子いたよな〜と思い出しました。

絶対に好きにならないタイプの。


私は今だ!と思い、

用意しておいた模範解答を

息子に伝えました。


そして、公衆の面前で口に出して言う言葉では決して無いよ言うことも。

先生方もその子にそう注意していたらしいです。


それでも足りない気がして、

「好きでもない子とでも、結婚しなきゃダメになるから大変なんだよ!」

とダメ押し。


思えば私もドラマを見て、

姉に「処女ってなに?」

と聞いた事がありました。


5つ離れた歳の姉に

「絶対にお母さんに聞いたりするんじゃないよ!!」とすごい剣幕で言われたのを覚えています。


でも、おかげで

何となく言ってはいけないことだと悟り、

私は親にその手の話を聞かずに済みました。


それに比べて息子。

外や学校では言わない分(言えない)

下ネタばかり家で言っています。


セックスの方ではなく、

ちんちんだのうんちだのの方ですが。

幼い…。


「もういい加減、何かにつけて

ちんちんって言うのやめなよ!」


と注意することによって、

私も何度も言ってしまう。


生まれてこのかた言ったこと無かったのに。


その現象が、

セックスにも同じく。


正直、下ネタを言う人が苦手です。

(散々こんな話をしておいて)


むっつりがいい訳ではないですけど、

そういうのは秘め事であって欲しい。


って、村上春樹が好きな上に、

クリープハイプ聴いてるくせに

よく言うよ!

って感じなのですが、

それはまた別の話。


色気は文字にしても、

個人から出るものにしても

才能だと思います。

出そうと思って出せるものではないというか、なんというか。

だから、音楽や本の中ではいいのです。

(私の中では)


でも、小学生はやめて欲しい〜。

中学生になっても、せめて男子同士だけの時とかにして欲しい。


しかも、今のこの状況、

私までその言葉の刺激が麻痺してきていて

普通に息子に言っている自分。


年齢だけの問題ではなく、

心の奥底に僅かに残る乙女の部分までもが

消えていく…。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る