第18話 ないものねだり
恋の話に通ずると言えば通ずるし、
別物と言われれば全くの別物の話です。
幼い頃も過ぎて若い頃、
恋人が出来るとずっと一緒に居たくて
ずっと一緒に居る約束や確約が
欲しかった。
その最上級が結婚だと思っていました。
だけど、今思うこと。
今だから思えること。
そんな確約が無くても
今その瞬間に好きって気持ちだけで
一緒に居れる方が
ずっとずっと
本当で真実で尊い事の様な気がします。
好きだから一緒にいる。
好きじゃなくなったから別れる。
単純でわかりやすくて、
それが1番正解なのではとも思う。
私はいつも寂しくて、
愛されたかったのです。
片思い遍歴が終わって
恋人が出来ても
それはいつも同じでした。
そして、それは恋人との関係性とは別のところにありました。
私個人の問題だったのです。
その事に気づいたのは、
息子が生まれてからです。
息子が生まれた途端、
私は全く寂しくなくなったのです。
この命は私がいなくちゃ死んじゃう。
それは怖いし不安で仕方ない。
だけど、今までに感じた事の無い
必要とされている実感。
夫からしてみたら、
出産すると女性は変わる、
母は強し。
寂しさから開放された私は
すごく自由で、
やっと誰かに求められずとも
1人で立っていられる様になりました。
話はかなりズレましたが、
だからこそ
今思いを馳せるのです。
実際の私の同棲時代とかではなく
20代の男女の
将来がまだ見えない
好きという気持ちだけで
結びついて
不安を温もりで埋めて
毎日をやり過ごす感じ。
そこが今猛烈に眩しくて
愛おしくて。
かといって、
現実、自分のそういう頃に戻りたいとは
露ほども思いません 笑
だって、若いって痛い事の連続でしたから。
今、私がそこに居ないから
眩しく見える、単なるないものねだりです。
そして、今私が書こうとして書けずにいる小説の話なのでした 笑
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