YouTube好きな大学生1年生の高橋史一が、友人から動画投稿サークルに誘われ、ユーチューバーを目指す。しかし史一はこれまで動画編集はおろか、スマホやパソコンの設定もわからないIT音痴だった!
そんな史一が、まったくの知識ゼロからサークル仲間や家族に教わりながら、パソコンの基本知識や動画投稿の手順を学んでいくのですが、これが勉強になります。
ネットに投稿する上で需要なネットリテラシーの話、ユーチューバーになるにあたってのお金の問題、バーチャルなキャラクターを用いたVtuberの制作現場など、ユーチューバーの裏事情にまで踏み込んだ物語が実にリアルです。
ゲーム実況やガジェット解説、Vtuber配信など、それぞれ個性を活かしたスタイルを持つ仲間たちに囲まれた史一が、自分の動画を作っていく過程がワクワクします。
小中学生がなりたい職業1位とも言われるユーチューバーの世界が、ちょっとだけ身近に感じられる作品です。
(「注目の自主企画から選んだ作品」4選/文=愛咲優詩)
ちょうど半月かけて拝読したのかな?
本当にとても楽しくて実りある読書時間でした。
YouTubeをテーマにした作品ということで、こちらの作品ではパソコンの基礎知識、動画編集ソフト、保険のこと、恋愛のこと、料理のこと……
「ええっ? そんなことまで!」と思うような知識がもれなく手に入ります。
たぶんそれらは作者ばびぶさんのサービス精神なのでしょうね。
読者を目一杯楽しませよう、得してもらおうというひたすらな思いを感じます。
作品を形作る時に色んな要素を削ぎ棄てるという方も多いでしょう。
でも、この作品は逆で楽しいものすべてを詰め込んだエンターテイメントという溢れる力強さを感じます。
作品はやっぱりこのように楽しくあるべきかなと思います。
YouTuberになることに不安を感じる人もまだまだ世の中には多いと思います。
私もその一人です。
動画投稿にはいい面もありますが、ネガティブな面も色々含まれています。
そして、この作品を読んでYouTubeという文化を理解するのは現代に生きる私たちにとって必要なことではないかなと思うんです。
人に分かりやすく説明するって本当に難しいですよね。
たぶん理解する以上の知識量が必要です。
それをスムーズにやっておられるのが本当にスゴイと頭が下がります。
読後感もとても良くて、ああいい物語だったなと心から思いました。
読み流しでなくしっかり読み込んで欲しい、とても面白くていい作品なんです。
ばびぶさん楽しい読書時間をありがとうございました(*^▽^*)!