第77話 サプライズ④
ともかくだ。
「みんなありがとう」
お礼をみんなに言った。
それからパーティーを楽しんだ。
だが、サプライズはこれだけではなかった。
そのサプライズは優希ともう一人、桜井さんにも知らされていない。
二人に気づかれない様にひっそりと準備を進めて行く。
そいて、いよいよその瞬間がやってきた。
ビシャ!
「す、すいません。つまずいてしまって!」
相馬がジュースをこぼしてしまった。
そのジュースは近くにいた俺と桜井さんにかかってしまった。
「アニキ、桜井さん。すいません」
「いいよ、いいよ」
桜井さんは怒ってない様だし、俺もわざとじゃないって分かっているのでそこまで起こらなかった。
「大丈夫ですか、お客様。よければ着替えなどがありますが?」
なんてサービスの気が効くカフェなんだろう。
俺と桜井さんはそのお店のご好意に甘え着替えを借りることにした。
…何この服?
俺は服を着替えている時に気がついた。
この服は…。
「お客様。お店の洗濯機でさっきの服を洗わさせていただきますね。早くしないとシミになってしまいますので」
一瞬にしてさっきまで着ていた服を持って行かれた。
この服を着ていくしかないのか?
流石にパンツとシャツ一枚で出ていくのは不味かったのでこの用意されていた服を着てみんな元に戻ろうとしている途中、相馬に止められた。
「…この服しか置いてなくて流石に変じゃないか?」
「いえいえ。似合ってますよ。それではアニキはこっちに来てください」
俺は相馬に言われるがままに真っ暗な部屋に入った。
正直に言えば薄々気がつき始めているが何も言わなかった。
パッ!と明かりがついてそこには白いウエディングドレスを着た桜井さんがいた。
そして、俺も着ている服は白いスーツ。
そう、これは結婚式の格好。
「それでは会場を少し移しまして、アニキと桜井さんの結婚式のサプライズでーす」
相馬がいつのまにがスーツを着て司会になっていた。
パン!パン!
クラッカーを鳴らす、みんな。
みんながここまで準備してくれたのは嬉しいし、感謝もしている。
ただ、そのー。前の席で座っている男の人。凄い顔でこっちを見てクラッカーを鳴らしているその人。誰?となりの人も分からないし…。
テーブルに名前のプレートが置かれていたので横目で確認すると、桜井一家様と書かれていた。
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