第69話 責任③

 「…わかった。優希がその気なんだったら…」

 桜井さんは新郎に近づいた。

 「…桜井さん。君の知り合いのせいで…ぶべぇ」

 ?!。

 新郎の顔を桜井さんが殴った。新郎は完全にノックアウトして床に倒れ込んだ。

 驚きを隠せていない俺。

 「…これで私もしっかりと責任をとる」

 「桜井さん?」

 「だから…その…約束…」

 桜井さんがゴニョゴニョ言う。

 いつもは何かと完璧の桜井さんだが、こっちの桜井さんもなんか可愛い。

 「もう一回…もう一回だけ。約束を破ったのは私だったから、あの約束。もう一回だけ」

 なかなか言葉がまとまらない桜井さん。

 けど、言いたい事はなんとなくわかった。

 次に俺が言わないといけないのは…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る